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新時代の「バックアップ」はこう変わる:バックアップツールの将来動向【第1回】
ITの進化に伴い、バックアップツールに求められる機能も変化している。企業向けバックアップツールは今後どう変わるのか。
バックアップツールには、ITのさまざまな変化と共に進化してきた歴史がある。これからのバックアップツールには何が求められるのか。本稿は、企業向けバックアップツールが今後どう変化するのかを考える。
これから「バックアップ」はどう変わるのか
今後、バックアップツールは複雑化するデータ保護に適応しなければならない。次のような技術が台頭したことで、データが生成および保存される仕組みが複雑化しているためだ。
- コンテナ
- アプリケーションの実行環境を仮想化
- マイクロサービスアーキテクチャ
- 複数のサービスによって1つのアプリケーションを構成
- マルチクラウド
- 複数のクラウドサービスを活用
- ハイブリッドクラウド
- オンプレミスインフラとクラウドサービスを組み合わせて利用
他にも、バックアップツールに強い影響を与える動きがある。近年はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃が広がったことで、企業は
- 「WORM」(Write Once Read Many:書き込み1回、読み込み複数回)機能を持つ光ディスクやテープ
- オフサイト(システムが稼働する場所とは別の場所)でのバックアップの保管
などに目を向けている。バックアップをオフサイトに保存することで本番システムとバックアップを物理的に隔離する「エアギャップ」を設けることは、ランサムウェアからバックアップを保護する方法の一つだ。
第2回以降は、バックアップツールのベンダー複数社への取材を基に、データ保護の領域が今後どのように進化すると考えられるのかを紹介する。
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