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無線LAN「Wi-Fi 6E」の6GHz帯は“無意味”なのか“使える”のか?無線通信の周波数問題【前編】

無線LAN規格「Wi-Fi 6E」への関心が徐々に集まりつつある中、無線LAN利用の今後を左右するある議論が浮上した。6GHz帯の利用に影響する問題だ。

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 無線LANは、6GHzの周波数帯を利用するという新たな時代に突入する。無線LAN規格「Wi-Fi 6E」(IEEE 802.11ax)を有効に使うために重要になるのはこの周波数帯だ。ただし周波数帯の利用方法によっては、Wi-Fi 6Eのメリットを引き出し切れない可能性がある。

無線LAN「6GHz」が“無意味なのか使えるのか”を分ける条件

 Wi-Fi 6Eは2.4GHzや5GHzに加えて6GHzの周波数帯を使えるため、2.4GHzと5GHzだけを使用する無線LAN規格よりも、広い帯域幅を活用しやすいことが特徴だ。業界団体のWi-Fi Allianceによれば、Wi-Fi 6Eは医療や教育、スポーツ、エンターテインメントといった分野で利用が進んでいる。今後は学生や企業の従業員、医療従事者、研究者、起業家に大きな影響を与える可能性があるという。

 一方でWi-Fi 6Eの利点を全面的に引き出すには、ある問題を解決する必要があるとWi-Fi Allianceはみる。6GHz帯の周波数帯全域を、Wi-Fi 6Eが独占的に利用できるかどうかという問題だ。この問題を受け、Wi-Fi Allianceは各国の規制当局や政策立案者に対し、6GHz帯の1200MHz幅(5925〜7125MHz)の周波数帯全体を、Wi-Fi 6E用に開放するよう働きかけている。「Wi-Fi 6Eの価値は、1200MHzの帯域幅全体を利用することではじめて引き出すことができる」(Wi-Fi Alliance)

 欧州やアフリカ、中東などの一部の国や日本では、6GHz帯のうち半分の500MHz幅(5925〜6425MHz)だけを開放する。Wi-Fi Allianceによれば、Wi-Fi 6Eのメリットを最大限に享受するにはこれでは不十分で、1200MHz幅の帯域全体を利用可能にすることが前提条件になる、というわけだ。

 Wi-Fi Allianceが周波数帯の開放にこだわる背景には、無線LANのユーザーが大容量の通信を利用する傾向に拍車が掛かっていることがある。1200MHz幅の周波数帯の全域を利用可能にした地域では、ユーザーがWi-Fi 6Eのメリットを十分に体験できていると同団体は評価する。

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