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“クラウド好き”でもうんざりする「エグレス料金」はなぜなくならないのか?クラウドサービスの「エグレス料金」を節約するには【第2回】

クラウドサービスを利用する際に、考慮しておかなければならないコストの一つがエグレス料金だ。クラウドベンダーがエグレス料金を設ける理由と、エグレス料金が高額になるユーザー企業の特徴を説明する。

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 クラウドサービスを使うときに注意が必要なのが、クラウドサービスと外部のインフラ間でデータをやりとりする際に掛かる料金だ。「クラウドベンダーは『イングレス料金』をクラウドサービスの利用料金に事実上含める傾向がある。『エグレス料金』は別だ」。コンサルティング企業/国際会計事務所のKPMGで、クラウドトランスフォーメーション部門の責任者を務めるエイドリアン・ブラッドリー氏はこう語る。

だから「エグレス料金」は生き残る

 概してクラウドベンダーは、自社のクラウドサービスに対するデータのアップロード(イングレス)には課金せず、そのコストを利用料金にあらかじめ含めている。割引率の大きな商品を「目玉商品」として提供するスーパーマーケットのように、ユーザー企業に自社のクラウドサービスの利用を促すために、イングレス料金が無料であることをアピールするクラウドベンダーもある。

 データのダウンロードや外部のインフラへのデータ移行(エグレス)には、ほとんどのクラウドサービスで料金が掛かる。クラウドベンダーはエグレス料金を設けることで、ユーザー企業に対して、他ベンダーのクラウドサービスやオンプレミスシステムへの流出を思いとどまらせることができる。

 BI(ビジネスインテリジェンス)の活用や人工知能(AI)エンジンのトレーニングなどで、ユーザー企業がクラウドサービスから引き出すデータ量が増えるにつれて、エグレス料金は高額になる。クラウドサービスとオンプレミス型のプライベートクラウド(リソース専有型システム)を組み合わせたハイブリッドクラウドや、複数ベンダーのクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウドでは、エグレス料金が高騰しやすい。


 第3回は、エグレス料金の予測が難しい理由を説明する。

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