クラウドサービスの「エグレス料金」を節約するには【第5回】
クラウドの“いつの間にか高くなる”「エグレス料金」を全力で抑える3つの方法
クラウドサービスの「エグレス料金」は、予測がしづらく高騰しやすいことが問題だ。ただし幾つかの工夫をすることで、エグレス料金の高騰を防ぐことができる。エグレス料金を節約するための3つの方法を説明する。
クラウドサービスから外部へのデータ転送時に掛かる「エグレス料金」は予測がしづらく、クラウドサービスの利用を断念せざるを得なくなるほどに高額になることもある。エグレス料金を節約するには、どうすればよいのか。主要な3つの方法を紹介する。
1.データ転送量を節約する
併せて読みたいお薦め記事
連載:クラウドサービスの「エグレス料金」を節約するには
IT部門はインフラリソースの需要管理を通して、クラウドサービスからのデータ転送量に制限を設けるといった対策を講じることができる。ただしデータ量の変動が大きいクラウドサービスは、データ転送量を細かく管理すること自体に高いコストが掛かる。データのダウンロードを厳しく制限すると、業務プロセスに影響が及ぶリスクがある。
こうした方法よりも、データ転送の効率を最大限に高めたシステムアーキテクチャを設計する方が生産的だ。具体的な手法の一例を以下に示す。
- リージョン(地域データセンター群)間のデータ転送を減らす
- 転送データの重複排除と圧縮を実施する
- 大量のデータを使うアプリケーションを作り直して、外部インフラとのデータのやりとりを発生しにくくする
2.コールドストレージとホットストレージの使い方を見直す
アーカイブなどアクセスがまれにしか発生しない用途に適した「コールドストレージ」のクラウドストレージから、より頻繁なアクセスに適した「ホットストレージ」のクラウドストレージにデータを移動させることで、エグレス料金を抑えられる可能性がある。一般的にコールドストレージのエグレス料金は、ホットストレージよりも高額だ。
各クラウドサービスに保管しているデータの種類や量は、正確かつ確実に把握する必要がある。「コールドストレージのエグレス料金は、一瞬で膨れ上がる」と、調査会社Freeform Dynamicsのトニー・ロック氏は説明する。「緊急時を除いてデータを取り出すことはないと最初に想定していたとしても、コールドストレージにデータを保管するのは注意が必要だ」(ロック氏)
日常の業務を分析するために、過去のデータを活用する取り組みが企業で広がりつつある。「過去に収集した詳細なデータを保持する重要性が高まっている」とロック氏は指摘。「『そのデータの保管先が、コールドストレージで本当に適切なのかどうか』を、ユーザー企業が再考する時機が来ている」と主張する。
3.クラウドベンダーと交渉する
クラウドベンダーとの契約内容を見直すことも重要だ。ユーザー企業は、エグレス料金をクラウドサービスの利用料金に含めたり、あるいはリージョン間の転送料金を減らしたりするよう、クラウドベンダーと交渉できる。
第6回は、クラウドサービスの利用中に、エグレス料金を予算内に抑えるためのポイントを説明する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社ラクス] どうすれば「変革を楽しむ組織」になれるのか? 事例に学ぶ、未来への一歩 -
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] 変化するサイバー脅威に備える、これからのストレージの選び方 -
事例
[サイボウズ株式会社] 受注約1.5倍と年間2万3000時間超の業務時間を削減、日機装に学ぶDX実践術 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 人材不足にどう挑む? ものづくり太郎が語る、製造現場でのAI活用成功の鍵 -
市場調査・トレンド
[グーグル・クラウド・ジャパン合同会社] 金融機関はAIエージェント導入でどう変わる? 7つの変化から19の事例まで解説
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
迫る“データセンターの危機” 「液冷」への移行は避けられないのか?
-
2
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
Microsoft向けに“原発”を再稼働? AI成長を阻む「電力危機」の深刻度
-
5
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
6
セキュリティ担当者“試練の1週間” 「PHP」脆弱性と認証局の失態が同時発生
-
7
「収入ゼロの恐怖」におびえながらも正社員に戻らない? フリーランスのリアル
-
8
「Copilot」がIT予算を食いつぶす? 高額請求を招く課金体系と節約術
-
9
村田製作所が1000台のサーバをAWSに移行 キンドリルの「AIOps」でどう変わる?
-
10
通話録音の個人情報を自動で無音化 専用端末を無償貸与
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
本当に使える「会議翻訳ツール」を見極める4つの選定基準
-
3
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
4
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
-
5
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
6
自社のセキュリティ対策は大丈夫? 自己診断リストで対策の優先順位が分かる
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
「テスト内製化&自動化」事例集:ディー・エヌ・エーなど9社に学ぶ実践のコツ
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー