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“脱クラウドバックアップ”をスマートに進めるためのチェックリスト:「脱クラウドバックアップ」の進め方【中編】
バックアップシステムのクラウドサービスをやめて、オンプレミスのバックアップシステムに移行するには、さまざまなことを考慮する必要がある。移行に失敗しないために確認すべきポイントをまとめた。
バックアップシステムのクラウドサービス(クラウドバックアップ)から、オンプレミスのバックアップシステムへ移行する――。こうしたバックアップシステムの“脱クラウド”を進めるには、具体的に何をすればよいのか。スムーズな移行のためには、以下のポイントを考慮するとよい。
“脱クラウドバックアップ”に失敗しないためのチェックリスト
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連載:「脱クラウドバックアップ」の進め方
バックアップの動向を抑えるには
- 現在のバックアップシステムを確認する
- オンプレミスのバックアップシステムへの移行で、バックアップ方法がどう変わり、それによってどのような作業が発生するかを明確にする。
- 現在の目標復旧時間(RTO:どの程度の時間で復旧できるかを示す目標)や目標復旧時点(RPO:どの時点までのデータを復旧できるかを示す目標)を見直す
- オンプレミスのバックアップシステムに合わせた数値を決める。
- ストレージ容量を確認する
- バックアップデータを格納するストレージに十分な容量があることを確認する。
- ラックスペースを確認する
- データセンターのラックに、ストレージのための十分なスペースがあることを確認する。ない場合はラックを増やす。
- バックアップシステムの安全性を確保する
- バックアップシステムのサーバやストレージを安全な場所に配置し、責任者以外の人がその場所にアクセスできないようにする。適切な空調設備や火災検知設備、消火設備があることも確認すべきだ。
- 電源を確保する
- 無停電電源装置(UPS)やディーゼル発電機、プロパンガス発電機といった複数の外部非常用電源を用意する。
- ストレージを適切に構成する
- バックアップデータの保管に利用するストレージを適切に構成し、本番環境に配置する前にテストをする。主なストレージ構成には「SAN」(ストレージエリアネットワーク)や「NAS」(ネットワーク接続ストレージ)の他、冗長構成である「RAID」(複数のHDDを組み合わせて1台のHDDのように運用する仕組み)がある。
- 移行スケジュールを作成する
- クラウドバックアップベンダーと協力して移行スケジュールを整理し、先に移行すべきリソースと、後から移行できるリソースを決定。段階的な移行によってトラブルのリスクを減らす。
- ネットワーク要件を見直す
- クラウドバックアップをやめた結果、ネットワークのどのような再設定が必要になるかを確認する。
後編は、オンプレミスのバックアップシステムのカットオーバー(新しい仕組みの稼働)に必要な作業を紹介する。
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