SSDの記録媒体「NAND型フラッシュメモリ」 実は1種類ではなかった?:フラッシュメモリ「NAND型」「NOR型」の違い【第4回】
フラッシュメモリの分類は、「NAND型」と「NOR型」の2種だけではない。さまざまな技術進化があるNAND型フラッシュメモリは、さらに細かく分類できる。どのような違いがあるのか。
各種のストレージに使用されているフラッシュメモリは、その特性によってさまざまな分類が可能だ。大きくは「NAND型フラッシュメモリ」と「NOR型フラッシュメモリ」の2種に分類できる。「SSD」やPC内蔵ストレージなどに使われるNAND型フラッシュメモリの分類は、さらに細かい。
「NAND型フラッシュメモリ」を製品タイプで分類するなら?
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連載:フラッシュメモリ「NAND型」「NOR型」の違い
- 第1回:フラッシュメモリはNOR型より「NAND型」の方が“有名”な訳
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フラッシュメモリの新たな進歩
NAND型フラッシュメモリは、1つのメモリセルで保持できるビット数に応じて分類できる。例えば以下の記録方式がある。
- シングルレベルセル(SLC)
- 1つのメモリセルで1bitを保持
- マルチレベルセル(MLC)
- 1つのメモリセルで2bitを保持
- トリプルレベルセル(TLC)
- 1つのメモリセルで3bitを保持
- クアッドレベルセル(QLC)
- 1つのメモリセルで4bitを保持
メモリセルの層が垂直方向に積み重なった、「V-NAND」(Vertical NAND)といった3D(3次元)構造のNAND型フラッシュメモリも登場している。
適切なNAND型フラッシュメモリを選ぶには、記憶密度と信頼性のトレードオフを考慮する必要がある。例えば1つのメモリセル当たりのビット数が多くなることで、記録密度はより高密度になるものの、耐久性が下がる傾向にある。
NAND型フラッシュメモリは、基本的にはSSDやUSBメモリといったストレージが実装する制御機能を持たない。ただし「マネージドNAND」などと呼ばれる製品は、NAND型フラッシュメモリに制御機能を実装したコントローラーを内蔵する。コントローラーによって、データの書き換えを各ブロック(データの記録領域をまとめた単位)に分散させる「ウェアレベリング」や、ブロックにおける不良を検出する「不良ブロック管理」などの制御を実現している。
第5回は、NOR型フラッシュメモリの分類とそれぞれの特徴を紹介する。
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