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「プライベート5Gは工場で使えるのか」を実証 “合格”したテストの中身は?「専用5G」は工場で使えるか【後編】

ソフトウェアベンダーのRockwell Automationら4社は、プライベート5Gを製造業でも利用できるかどうかの実証に取り組んだ。4社は何をテストし、どのような示唆を得たのか。

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 ソフトウェアベンダーのRockwell Automation、通信機器ベンダーのEricsson、半導体ベンダーのQualcomm Technologies、通信事業者のVerizon Communicationsの4社は、製造業向けの共同研究を開始した。「5G」(第5世代通信システム)をユーザー組織が自営ネットワークとして扱える「プライベート5G」によって実現可能なアプリケーションやユースケースを調査する。まず4社は、ある実証実験に取り組んだ。

「プライベート5G」の実証実験で何をテストしたのか?

 実証実験では、特定エリア内の機器を制御するRockwell Automation製コントローラー「GuardLogix」がプライベート5Gを介して、同社製のIOモジュール(信号の入出力装置)「FLEX 5000 I/O Modules」に接続。産業用プロトコル「EtherNet/IP」と、EtherNet/IPを用いた安全制御用のネットワークシステム「CIP Safety」で運用できることを確認した。

 4社は単に通信がつながることを確認しただけではない。データ送信の周期である「RPI」(Requested Packet Interval)の複数設定や、障害0件という厳格な成功基準を設け、それを達成した。4社は共同声明で「5Gによる産業オートメーションのテストケースは想定通りに機能した」と述べる。

 今後、4社は共同研究を継続する。計画している実証内容は以下の通りだ。

  • 5Gの技術仕様をまとめた「Release」の更新
    • 今回は「Release 15」での実証実験だったが、基本性能が改善された「Release 16」の仕様を利用する
  • 「SA」(スタンドアロン)構成の採用
    • 今回はコアネットワークや基地局設備の一部に「4G」(第4世代移動体通信システム)のインフラを利用したNSA(ノンスタンドアロン)構成だったが、全て5Gのインフラを用いるSA構成を採用する
  • 「CIP Sync」の利用
    • 産業用の時刻同期プロトコルである「CIP Sync」を用いたアプリケーションとプライベート5Gの接続を確認する
  • 「CIP Motion」の利用
    • CIP Syncをベースとした、分散したアプリケーションの時刻を同期しながら制御する仕組み「CIP Motion」を利用して、アプリケーションとプライベート5Gの接続を確認する

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