クラウド料金を分かりにくくする“複雑過ぎる請求書”問題の解決策とは?:FinOps専門家に聞く「クラウドコストの真実」【後編】
クラウドサービスのコスト管理が難しくなりやすい背景には、クラウドサービスの請求書の複雑さがある。状況は改善するのか。そのために必要なこととは。FinOpsの専門家に聞いた。
「FinOps」は、クラウドサービスへの支出を正確に管理して、コストを削減するための運用モデルだ。FinOpsが登場した背景には、クラウドサービスのコスト管理の難しさがある。FinOpsのガイドブック『Cloud FinOps: Collaborative, Real-Time Cloud Financial Management』の共著者であるマイク・フラー氏が、クラウドサービスのコストに関する状況の変化を語る。
クラウドの利用料金をより分かりやすくする策は?
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―― クラウドサービスの利用料金を取り巻く動向に変化はありますか。
フラー氏 利用料金に関しては大きな変化はないものの、クラウドサービス市場そのものは変化が激しい。新しいサービスや機能が次々に登場しており、請求にまつわるデータも増大している。
―― クラウドベンダーは、ユーザー企業に対して明確な内容の請求書を提供しているのでしょうか。
フラー氏 クラウドベンダーによっては、請求書で詳細な情報を提供しているところもある。Amazon Web Servicesは他のクラウドベンダーよりも長い間クラウドサービスを提供しているため、請求書の内容が非常に細かくなっている。その半面、請求書が細かくなり過ぎているという課題もある。
クラウドベンダーは利用料金に関して、より分かりやすいデータを提供できるのではないだろうか。粒度が高い請求書を作り続けるだけではなく、コストに関するデータをより可視化して、コストを把握しやすくするための手段を提供する必要がある。クラウドベンダーが分かりやすいデータを提供することで、ユーザー企業はコストの分析が容易にできるようになると考えられる。
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