無線LANを「W-Fi 6」(IEEE 802.11ax)にするのが“意外と難しい”のはなぜ?:「無線ネットワーク」を生かし切る【第3回】
無線LANを「Wi-Fi 5」準拠から「Wi-Fi 6」準拠に変更するのは、決して簡単ではない。Wi-Fi 6への切り替えを検討する際には、何に注意すべきなのか。
企業がオフィスに構築するLANは、かつては有線LANが主流だった。技術が進化を遂げ、エンドユーザーのニーズが変化する中で、有線LANの立場を奪いつつあるのが無線LANだ。無線LAN規格「IEEE 802.11ac」(Wi-Fi 5)準拠の無線LANを使ってきた企業が、次世代規格「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)準拠の無線LANに切り替える際は、幾つかの課題を解決しなければならない。どのような課題があるのか。
「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)移行が決して楽じゃないのはなぜ?
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企業がWi-Fi 6準拠の無線LANを構築する上で、大きな障害がある。それはクライアントデバイスと無線LANアクセスポイントの両方を、Wi-Fi 6準拠にする必要があることだ。
Wi-Fi 5に準拠した無線LANの一般的な構築ガイドラインは、AP1台当たりクライアントデバイス約30台が接続することを想定している。これは800〜1600平方フィート(約75〜約150平方メートル)当たりにAP1台が必要になる数字だ。
企業がWi-Fi 6に準拠した無線LANを構築する場合、AP1台当たり50〜60台のノートPCおよびモバイルデバイスに加え、IoT(モノのインターネット)デバイスが接続することを想定しなければならない。これは2000〜3000平方フィート(約185〜約280平方メートル)当たりにAP1台が必要になる数字だ。もちろんAPによって必要な台数は大きく異なる。
無線LANの設計時には、空間の物理的性質を考慮しなければならない。具体的には以下を考慮する必要がある。
- オフィスのサイズ
- オフィスの形状
- オフィスの建材
- オフィスに配置している家具
- オフィスの周辺環境
- エンドユーザーのニーズ
- エンドユーザーの無線LAN利用パターン
次回は、無線LANを安全に使うための手段を紹介する。
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