検索
特集/連載

Javaで速さ重視なら「int」「Integer」のどっち? “int一択”じゃない理由Javaの「int」「Integer」を比較【第4回】

「Java」で整数を扱う際は、単純に値を格納するだけの「int」と、オブジェクトとして扱える「Integer」のいずれかを使うことになる。どちらを使えばよいのか。処理負荷の視点で比較しよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 プログラミング言語・実行環境の「Java」は、整数を扱うための仕組みを2つ備える。「int」と「Integer」の2つだ。intは「型」(数値や文字列といったデータの種類)、Integerは「クラス」(データと処理をまとめたオブジェクトの設計図)であり、こうした種類の違いが処理負荷に影響を及ぼす。

基本的には「int」が速いが……

 intをはじめとする「プリミティブ型」(Javaが標準で用意する8つの型)の変数を宣言する場合と比べて、Integerなどのクラスからオブジェクトを生成する際には、一般的にはオーバーヘッド(負荷)がより多く発生する。そのためintの変数を使用した方が、Integerのオブジェクトを使用するよりも概して処理負荷を軽減しやすく、Javaプログラムがより高速に動作しやすくなる。

 ただしintの変数を使えば、常に処理負荷が抑えられるわけではない。注意すべきなのが、intなどのプリミティブ型の変数に備わる「オートボクシング」という機能の存在だ。

 オートボクシングは、プリミティブ型の変数を、対応する「ラッパークラス」(オブジェクトとしてプリミティブ型を利用可能にするクラス)のオブジェクトに自動的に変換する。オートボクシングの実行時には、一定の処理負荷が発生することになる。オートボクシングが頻発すると、それに伴う処理負荷が増加し、処理速度の低下につながりかねない。

結局どちらを選べばよいのか

 intの変数は比較的使いやすく、オートボクシングを必要としないJavaプログラムあれば、処理負荷を抑えやすい。整数の値を参照するだけなら、intの変数を使うのが適切だと言える。生成時に自動実行するメソッド「コンストラクタ」など、オブジェクトに特有の機能を使う必要がある場合は、Integerのオブジェクトを用いる方が適切だ。

関連キーワード

Java | プログラミング


TechTarget発 エンジニア虎の巻

米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る