愛され続ける企業がいつでも大切にする「3つのこと」:企業文化の維持と企業規模の拡大【第5回】
企業が成長する過程では新たな人材や組織が加わることがあり、企業文化に変化が生じることがある。そうした中でも従業員が意欲的に働き、事業を成長させ続けるには何が必要なのか。
企業が成長する過程で「企業文化」を維持し続けるのは難しい問題だ。創業時に形成した企業文化は、新たな人材を獲得したり、M&A(買収と合併)によって新たな組織を加えたりする中で変わる可能性がある。
一方で企業のミッション(果たす使命)やビジョン(将来像)、バリュー(価値観や行動指針)は企業の軸として存在し、頻繁には変わらないものだ。従業員がこれらに共感し、企業文化を形成しながら事業を成長させるために必要なのは、難しい事柄ではない。ITコンサルティング企業Nash Squaredの取締役として働く筆者の経験から、3つのアドバイスを挙げる。
成長し、愛される企業は“あれ”を大切にする
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連載:企業文化の維持と企業規模の拡大
- 第1回:なぜ“成長期”の企業こそ「企業文化」を考えるべきなのか
- 第2回:「うちの会社らしさ」って具体的には何? 企業文化を育てる3要素
- 第3回:「退職希望者を引き留めるべきか否か」を正しく判断する方法
- 第4回:人材採用やM&Aの“ミスマッチ”を回避するシンプルな思考方法
従業員に愛される企業になるために
1.企業としての方向性を見失わない
企業として進むべき方向を判断するための基準である「北極星指標」(NSM:North Star Metric)を設定し、軸を持つこと。事業を始めるきっかけとなったビジョンを見失ってはならない。
2.企業の成長を経営層と従業員が共に感じる
正直であること。透明性を保つこと。経営層と従業員がコミュニケーションを取り、自発的に企業に貢献する意欲を高め、企業の成長を共に感じる。
3.従業員のために十分な投資をする
人材、業務プロセス、ガバナンスが企業理念に沿っていることを確認する。これらは事業の拡大に伴って変化する。技術、ITインフラ、業務プロセスは、企業の成長のどの段階であっても適切かつ十分なものである必要がある。従業員に必要な製品やサービスを提供するために十分に投資をし、従業員が企業の生産性向上と成長に貢献できるようにする。
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