Vodafoneが「経営統合」と「5G SA」で描く未来:5Gの経済効果を分析する【後編】
Vodafone UKの調査では、英国人が5Gによって医療や公共、鉄道などの領域で変革を期待していることが分かった。同社は5Gを活用した未来の社会像も発表しており、5Gによりイノベーションを起こせるとアピールする。
通信事業者のVodafone UKの発表によれば、英国民は人工知能(AI)技術よりも「5G」(第5世代移動通信システム)の方が、日常生活を改善できると期待している。英国民が5Gによる変革を期待する領域は、医療、エネルギーや水道などの公共事業、鉄道などだ。
今回の5Gについての調査結果を発表する前に、Vodafone UKは英国の通信事業者であるThree UKとの事業統合の発表と、インフラを5Gのみで構成する5G SA(スタンドアロン)によるブロードバンドサービス「Vodafone 5G Ultra」を発表していた。Vodafone UKとThree UKの統合が実現すれば、英国内で最大手の通信事業者が誕生する見込みだ。Vodafone UKは、5Gの活用が広がる社会をどのように描いているのか。
Vodafone UKの「経営統合」と「5G SA」で何が変わる?
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コアネットワークに「4G」(第4世代移動通信システム)を利用する「ノンスタンドアロン」(NSA)構成に比べて、コアネットワークも5Gで構成するSA構成はデータ伝送速度などの通信品質が改善される。
SA構成のVodafone 5G Ultraによって、より日常生活を便利にできるとVodafone UKは強調する。「Three UKとの統合は英国のデジタル投資を加速させる。Vodafone 5G Ultraは日常生活がいかに変わるかを示す。これらを共に推進することで、イノベーションを迅速に広範囲で実現できる」とVodafone UKのCEOであるアーメド・エッサム氏は語る。
Vodafone UKは5Gが導入された社会の青写真を示す「Vodafone's Digital Society Blueprint」も発表した。以下のような分野における活用例が盛り込まれている。
- スマート変電所
- 英国の鉄道の位置情報分析サービス
- 5Gに接続した救急車
- MRI(磁気共鳴画像法)データの遠隔共有
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