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RPAを“LLM選び放題”にしたAutomation Anywhereの判断が「現実的」な訳とは?生成AIでRPA再興狙うAutomation Anywhere【後編】

主要ツール群「Automation Success Platform」で利用するLLMを選択可能にした、RPAベンダーのAutomation Anywhere。この判断を専門家が「現実的だ」と判断するのはなぜなのか。

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 ビジネスプロセスを自動化する「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)ベンダーの代表格であるAutomation Anywhereは、主要ツール群「Automation Success Platform」(オートメーション・サクセス・プラットフォーム)に「ジェネレーティブAI」(生成AI)を組み込んでいる。生成AIは、テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術だ。

 Automation Anywhereは、生成AIを実現する「大規模言語モデル」(LLM:膨大なテキストデータでトレーニング済みの言語モデル)について、自社開発のLLMではなく他社のLLMを選択して利用できるようにした。このことに調査会社Deep Analysisのアナリストであるマット・ミューラン氏は「現実的な判断だ」との見方を示す。

“LLM選び放題RPA”がなぜ「現実的」なのか?

 市販のLLMを利用することで、ユーザー企業はLLMに関するデータ保護の問題に対処しやすくなると、Automation Anywhereはみる。「Amazon Web Services(AWS)やGoogle、Microsoftなどの主要ベンダーが提供するLLMは、どれも使用するデータを保護する方法がある」と、Automation AnywhereのCOO(最高執行責任者)であるマイク・ミクッチ氏は説明する。

 「ユーザー企業がRPAツールと連携させるLLMを自由に選べるようにすることで、RPA市場は再び拡大する可能性がある」と、調査会社Forrester Researchのアナリスト、J.P.ガウンダー氏はみる。LLMの選択肢を提供することで、RPAツールは「業務課題を解決する目的でユーザー企業がLLMを導入する、最初の一歩になり得る」というのが、ガウンダー氏の考えだ。

 企業での利用実績のある既存LLMをRPAツールで活用することは「業務課題を解決し、生産性を高めるためにRPAツールと生成AIを組み合わせる策としては、非常に実用的だ」とガウンダー氏は評価する。ただし他社のLLMとの連携を前提としたAutomation Anywhereの判断を、ユーザー企業がどのように受け入れるのかを評価するのは「時期尚早だ」と、同氏は注意を促す。

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