技術者だけではない「AI系キャリア」 その役割と勉強すべき分野は?:「AI」時代のキャリアとは【第6回】
企業におけるAI活用が広がると同時に、AI人材の需要が高まる。一方でAI系キャリアを検討する際は、将来的な視点を持ち、リスクについて適切に把握する必要がある。
クラウドサービスの普及といった要因により、AI(人工知能)技術が広く活用されるようになった。オーストラリアのITサービス企業Kablamoの共同CEOアラン・ワッデル氏は、「今後最も需要が強まるAIスキルは、技術的なスキルとは限らない」と話す。ワッデル氏の話を基に、AI系キャリアを目指す人が勉強すべき分野や、ビジネスにおいて担うべき役割を解説する。
「AI人材」を目指すなら“あの分野”に注目
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連載:「AI」時代のキャリアとは
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AIと人間の関係性
コンピューティングの学位を持つワッデル氏は、「AI系キャリアを検討する際は、コーディングやデータサイエンス、エンジニアリングといった分野よりも、AI技術の応用分野に注目すべきだ」と主張する。
ワッデル氏がもう一度学位を取ってAI分野に携わるとしたら、法律と倫理の学位を取るという。その理由は以下の通りだ。
- 専門性の高いAI技術の学位だけを取るのは、将来的に見てリスクがある
- AI技術が自身で最適化を実施できるようになれば、AI技術最適化に携わる人材の需要が減る
同時にワッデル氏は、AI技術を用いたデジタル製品の開発といった分野への興味も示す。「重要なのは、AI技術をどのように顧客に使ってもらうかという視点だ。社会が求めているのは、AI技術とビジネスを橋渡しする役割だ」(ワッデル氏)
現状、ほとんどのAI人材は特殊かつ高度な技術的役割を担っているが、この傾向が将来的に続くとはワッデル氏は考えていない。「AI分野に身を置きながらも、ゼネラリストであり続けることが重要だ。特定の分野に特化し過ぎるあまり、他の分野の道をふさぐことは避けた方がよい」(同氏)。
他にもワッデル氏は、早過ぎる規制がAI技術の成長を阻害し、AI技術活用の選択肢を狭めてしまうリスクについて指摘する。AI技術はあくまで結果を生み出すためのエンジンであり、絶対的な意思決定者にはなり得ない。人々が恐れている「AIが人間の仕事を奪う」といった状況は、しばらくは起こらないというのがワッデル氏の考えだ。
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