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障害に強いのは有線より無線? 災害時でもつながる「無線LAN」の作り方無線LANと有線LANの消費電力【後編】

電力消費において無線と有線のどちらが優れているかは簡単には結論を出せないが、無線LANには災害や障害が発生したときも電力を確保しやすいという利点がある。

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 家庭でも企業でもネットワークの消費電力量削減への関心が強くなっている。一般的には無線LANの方が電力効率は良いが、環境によっては無線に移行することで消費電力量を削減できるとは限らない。

 無線LANが有線LANに対して電力関連で優位性を持つ分野の一つは、災害や障害が発生した際に電力を確保する設計がしやすいことにある。不測の事態でも電力を確保するために重要なポイントを解説する。

災害発生時でもつながる「無線LAN」の作り方とは

 災害や障害時でも電力を確保するための重要な要素としては、

  • 電力供給規格「PoE」(Power over Ethernet)準拠のネットワークスイッチの予算を確保しておくこと
  • PoEスイッチの電力供給源を通常電源と無停電電源装置(UPS)で二重化しておくこと

の2点がある。LANを無線に切り替えて必要なネットワークスイッチの台数を減らせば、UPSの予算を確保しやすくなる。

 省電力機能について、無線LAN分野の開発者は研究熱心だ。米国電気電子学会(IEEE)で無線LAN規格の標準化に取り組んでいる「IEEE 802.11」のワーキンググループは、新しい無線LAN規格を策定する際に、何度もクライアントデバイス向けの省電力機能を導入してきた。省電力機能によって各クライアントデバイスは充電する回数を減らし、バッテリー寿命を延長することができる。

 無線LANの省電力機能によって、ネットワークを利用するためのデバイス1台当たりの消費電力は削減傾向にあるはずだが、一方でネットワークに接続するデバイス数は増加傾向にあるため全体の消費電力量は増えている可能性がある。ネットワークは有線がいいのか無線がいいのか、電力効率の問題は一筋縄ではいかない。

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