「マルウェア対策ツール」を入れるならどれ? “主要5製品”の長所と短所:マルウェア対策ツール選定ガイド【中編】
マルウェア対策ツールを使うのであれば、できるだけ自社に適した製品を選定するようにしよう。どのような製品があるのか。5つのマルウェア対策ツールを紹介する。
企業にとって必須のセキュリティ対策になるのが、マルウェア対策ツールの導入だ。さまざまな製品があるので、自社に適しているマルウェア対策ツールを選ぶことが欠かせない。本連載は主なマルウェア対策ツール10製品を紹介する。今回はそのうち5つの製品を紹介する。
「マルウェア対策ツール」にもう迷わない 5製品の長所・短所はこれだ
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連載:マルウェア対策ツール選定ガイド
気になる、マルウェア対策の動向
1.Bitdefender「GravityZone Business Security Enterprise」
Bitdefenderは一般消費者向けと企業向けに複数のマルウェア対策ツールを提供している。「GravityZone Business Security Enterprise」は大企業が主な対象だ。エンドポイントを監視する「EDR」(Endpoint Detection and Response)をはじめ、さまざまなセキュリティ機能を提供する。
- 長所
- 脅威の分析機能を搭載し、防御力を追求している。
- 脆弱(ぜいじゃく)性のパッチ(修正プログラム)管理やデータ暗号化、デバイス制御など幅広い機能を持つ。
- 短所
- 管理が複雑。
- OS「Linux」で構築されたシステムの場合は、包括的な保護機能がない。
2.Cisco Systems「Cisco Secure Endpoint」(旧「AMP for Endpoints」)
Cisco Systemsの「Cisco Secure Endpoint」(旧AMP for Endpoints)は、企業のネットワーク全体を監視し、マルウェアを特定してブロックする。EDRの他、EDRの拡張版「XDR」(Extended Detection and Response)やセキュアDNS(ドメインネームシステム)、Cisco Systemsのセキュリティ研究機関Cisco Talosによる脅威分析サービスなどを影響する。「Essentials」「Advantage」「Premier」の3つのプランがある。
- 長所
- 包括的な監視機能がある。
- ファイル分析や感染デバイスの隔離、脅威の分析、アラートなどの各機能を一元的に提供する。
- 短所
- ユーザーインタフェース(UI)が複雑で、セキュリティ担当者のトレーニングが別途必要になることがある。
- ネットワーク全体を保護できる半面、高コストになる可能性がある。
3.ESET「ESET PROTECT」
ESETの「ESET PROTECT」は、高度な脅威分析機能とマルウェア行動分析機能を組み合わせることで、強固な防御を図る。保護対象にはメールシステムの他、社内ポータルサイト構築ツール「Microsoft SharePoint」、スマートフォンやタブレットといったエンドポイント、ファイルサーバなどが含まれる。
- 長所
- 統合的な管理ダッシュボードがある。
- リアルタイムのファイルスキャンや、脅威分析を踏まえたアラート機能がある。
- 使用するコンピューティングリソースが比較的少ない。
- 短所
- ライセンス体系が分かりにくい。
- UIが複雑。
- アラートをグループ分けする機能がない。
4.F-Secure「F-Secure Total」
F-Secureの「F-Secure Total」は、エンドポイントをランサムウェア(身代金要求型マルウェア)やスパイウェア(監視用ソフトウェア)、トロイの木馬などさまざまな脅威から守る。従業員によるWebサイト閲覧も監視し、マルウェアに感染したWebサイトやドメインを特定できる。
- 長所
- 「Windows」「macOS」「Android」「iOS」など多様なOSのエンドポイントを保護対象としている。
- 高度な監視機能によって迅速にアラートを出し、攻撃の早期対処ができる。
- 短所
- マルウェア分析が技術的に成熟していない。
- エンドポイント保護が解除される不具合がある。
5.Kaspersky Lab「Kaspersky Premium」
Kaspersky Labの「Kaspersky Premium」は、導入も運用もしやすい製品だと考えられる。エンドポイントのマルウェア対策やアイデンティティー(ID)保護、VPN(仮想プライベートネットワーク)、24時間365日のサポート体制などを提供している。
- 長所
- 多層的なアーキテクチャにより、ネットワークだけではなくデバイスも保護できる。
- 使いやすさを目指したUIにより、管理作業の効率化につながる。
- 短所
- 詳細なセキュリティポリシーの作成ができない場合がある。
- カスタマーサービスが応答するまで時間が掛かる傾向にある。
後編は、「マルウェア対策ツール10選」の後半を取り上げる。
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