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「テープ」は時代遅れじゃない むしろ新しい“なるほど”の理由改めて評価されるテープストレージの価値

時代遅れのイメージが付きまとうテープストレージ。しかしそれは誤解だ。テープの強みと、それを引き出すこつは何か。昨今の動向とテープのメリットを踏まえて考える。

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データ | ストレージ | 技術解説


 2024年1月、データ管理システムベンダーHammerspaceが同社製品でテープを利用可能にしたことを発表して話題を呼んだ。このニュースが裏付けるように、テープは決して“終わったストレージ”ではない。古き良きテープが今こそ、企業にもたらすメリットとは何か。

テープの何が“新しい”のか? 再評価される理由とは

 テープストレージでデータ管理システムを利用することはこれまでも可能だった。例えばIBMの「IBM Spectrum Storage Suite」やQuantumの「StorNext File System」、Spectra Logicの「Spectra StorCycle」ではテープを利用できる。Hammerspaceの今回の取り組みで新しいのは、テープを「アクティブ(常に利用可能)なデータ管理システム」に統合したということだ。

 テープは基本的に、データを長期保存するためのアーカイブ層として扱われてきた。今回Hammerspaceが発表した仕組みでは、テープのデータはアクティブとなり、他のストレージのデータと同様、オンラインとして表示されるとHammerspaceは説明する。

 テープの強みと言えば、大容量データを安価に長期保存できることだ。しかしテープが企業にもたらすメリットは、コストだけではない。データセキュリティやESG(環境・社会・ガバナンス)といった観点からも、テープにはメリットがある。

  • テープは本番用システムから物理的に隔離してデータを保存できるため、攻撃に強いと考えられる。
  • 保存されたデータがイミュータブル(不変)となるので、第三者によるデータ改ざんを防げる。
  • レイテンシ(データ転送の遅延)や消費電力を抑えやすい。

 テープが“万人向け”というわけではない。小規模のシステムなら、テープ以外のストレージを選んだ方がいいケースがある。PB(ペタバイト)級のデータを長期保存する用途や、アクセス頻度の低い大量のデータを取り扱う「コールドストレージ」の場合、テープが適切な選択肢になることがある。

 テープの良さをフルに引き出すには、テープを他のストレージと“平等”に扱うことが大切だ。特に「データドリブン」(データ分析に基づいて経営判断をしたり、サービスを開発したりする手法)や「レジリエンス」(回復力)、「スピード」といったキーワードが重要になっている現在、テープの潜在的価値を認識しておくことが欠かせない。

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