なぜ「普通の無線LAN」にしなかった? クリケット競技場がOpenWiFiを使う訳:スタジアム内でのデータ活用も
南アフリカのスタジアムが「OpenWiFi」を活用して無線LANを構築した。無線LANによるネットワークを構築した目的と、OpenWiFiを使った理由とは。
南アフリカのクリケットスタジアムSupersport Parkは、スタジアムにおける観戦体験を向上させることやビジネス機会の創出につなげることを目的として、スタジアムに無線LANを構築した。同スタジアムの無線LAN構築は、無線通信技術の普及に取り組む業界団体Telecom Infra Project(TIP)が進める無線LANのプロジェクト「OpenWiFi」の一環として進められた。
単なるネット接続だけじゃない「OpenWiFi」活用の狙いとは
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「OpenWiFi」とは何か
別名「SuperSport Centurion」「Centurion Park」でも知られるSupersport Parkは、2万人を収容可能だ。南アフリカのクリケットチームMultiply Titansが同スタジアムを本拠地として、クリケットの国際試合を定期的に開催している。
今回の無線LAN構築プロジェクトには、南アフリカのネットワークベンダーPMD Group of Companiesが参加。インドのITベンダーHFCLの子会社IO by HFCLが、無線LAN機器の設置からネットワークの構築までを担当した。無線LANの管理ツールベンダーWavespotは、無線LANから取得するデータを分析するための仕組みを提供している。
Supersport Parkで最高執行責任者(COO)を務めるサミュエル・プリンスルー氏は、OpenWiFiを通じた無線LAN構築の目的について「最高のスポーツ体験を提供するという当スタジアムのミッションにおける重要なマイルストーンだ」と評する。プリンスルー氏によると、同スタジアムは無線LANを介して収集したデータを以下に活用している。
- 特定の顧客をターゲットにしたサービスや商品の販売促進
- 試合の経過や選手の情報など、観客が求める情報のリアルタイム配信
2021年5月に発足したOpenWiFiには、300社以上の企業が参加している。OpenWiFiは無線LAN用のソフトウェアをオープンソースで開発し、テスト手法を自動化できるようにしている。OpenWiFiの目的は、特定のベンダーの機器や技術に縛られることなく、無線LANのアクセスポイント(AP)やコントローラー、分析ツールを利用できるようにすることだ。
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