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「脱クラウド」した方が“安くなる”のか、そうではないのか「脱クラウド」よりもやるべき最適化【前編】

「脱クラウド」に向けてかじを切るより、利用中のクラウドストレージの改善を図る方が適切な場合がある。脱クラウドすべきか、クラウドストレージを最適化すべきかの判断方法とは。

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 料金やセキュリティ面の懸念を理由に、クラウドストレージからオンプレミスストレージにデータを戻す「脱クラウド」は、一部の企業にとっては有用な選択肢だ。だが、その選択が全ての企業に適しているわけではない。脱クラウドよりも、運用中のクラウドストレージを最適化する方が適切な場合もある。本連載はクラウドストレージの状態を分析する方法と、最適化する方法を解説する。

自社のクラウドストレージの状態を見極めるには

 脱クラウドとクラウドストレージ最適化のどちらが自社にとって適切かを判断する上では、以下に挙げる作業が役に立つ。

  • クラウドストレージに移行した当初の理由をあらためて確認し、当時からの変化を見極める
  • クラウドベンダーが、容量や可用性、伝送速度といったストレージの要件に対して、どのような料金体系を設けているのかを確認する
  • パフォーマンスログ、ストレージの監視データ、ストレージ料金の推移、クラウドベンダーの料金体系の変遷を確認し、発生している料金の実態を分析する
  • サービス契約を見直していることをクラウドベンダーに伝え、クラウドベンダーが見直し作業に協力してくれるかどうか、どのようなサポートが可能かを確認する。クラウドベンダーの回答を、クラウドストレージの利用継続の判断材料にする
  • クラウドストレージと自社システムのパフォーマンスデータやログを調べ、パフォーマンスに問題があった期間や問題の詳細、原因を特定し、クラウドベンダーに改善を要求するための根拠となる情報を作成する
  • オンプレミスストレージに戻すと料金がどのように変化するかを考察し、脱クラウドによる経済的メリットの有無を見極める
  • オンプレミスストレージに戻す場合にはストレージラックを設置する追加のスペースが必要になることがあるので、物理スペースへの影響を確認する
  • オンプレミスストレージに戻す場合には人材の補充が必要になることがあるので、IT担当者への影響を確認する

 こうした分析をすることで、クラウドストレージとオンプレミスストレージを組み合わせた「ハイブリッドクラウドストレージ」という新たな選択肢に行き着くこともある。

 クラウドストレージの最適化プロジェクトを立ち上げる際は、上層部の承認を得ることを忘れてはいけない。このとき、1年間で削減できる金額と、業務効率の向上の許容レベルを定義することが必要だ。IT運用における他の変更と同様に、計画と提案に関する根拠を上層部と確認する。


 次回は、クラウドストレージを最適化するためのベストプラクティスを紹介する。

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