「メインフレーム」を今後も使い続けたいなら見直すべき“あれ”:メインフレームのコスト削減を図る3本柱【後編】
企業がメインフレームの運用コストを抑えつつ安定稼働させるには、どのような取り組みをすべきなのか。自社の収益に直結するメインフレーム運用術とは。
企業の収益に大きく関与するほどのコストを生んでいるが、なかなか改善には踏み切れない――。メインフレームにはそうした悩みが付き物だ。メインフレームの運用コストを抑え、稼働を安定させるためには、どのような取り組みをすればよいのか。そうした取り組みを支える3つの戦略のうち、本稿は2つ目と3つ目について、具体的な施策と共に紹介する。
ポイント2.運用コストの削減
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連載:メインフレームのコスト削減を図る3本柱
メインフレームに向き合う
メインフレーム内のアプリケーションごとに運用コストを評価し、他の選択肢の方が経済的かどうかを判断することも有効だ。例えばオンプレミスのメインフレームからクラウドサービスに移行することで、コストを削減できる可能性がある。
使用中のメインフレームでアプリケーションを稼働させ続けたいのであれば、ライセンスやサポート条件などを見直すことは、選択肢の一つになる。不要になった契約を破棄したり、ライセンスの種類を変更したりするだけで、コストを削減できる場合がある。
冗長なアプリケーションの特定も、運用コスト削減につながる。本質的に同じことをする複数のアプリケーションがある場合、それらを1つのアプリケーションに統合することは、運用コストの削減に効果的だ。このときにライセンス料金が削減できなくても、サポート料金を削減できる見込みはある。
ポイント3.ダウンタイムのリスク軽減
障害やメンテナンスに伴うダウンタイム(システムの稼働停止時間)のリスクを減らすことも検討しよう。これにはパフォーマンス劣化による実質的なシステム停止も含まれる。非常用発電機の設置、物理的に離れた地域でのデータセンター構築など、アプリケーションの可用性を高める方法はさまざまだ。
ダウンタイムのリスクを減らすための対策を講じる上で、投資利益率(ROI)は重要な検討事項になる。メインフレーム内のアプリケーションに対して、ダウンタイム1時間当たりのコストを割り出そう。ダウンタイムが生じた場合、自社にどれだけの損害が発生するのかが分かれば、現実的にどれだけの費用をかけてリスク軽減対策を講じるべきかが見えてくる。
システムの冗長化には費用がかかる傾向があるため、経営層から投資の正当性を問われやすい。正当性を示すためには、対策を講じない場合と講じた場合のリスクを定量的に評価したり、その結果を基にリスクを比較したりすることが有効だ。そうした分析を通じてダウンタイムのリスク軽減対策の優先順位を決めることで、経営層を説得できるチャンスが生まれる。
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