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Webブラウザは追跡されている――身バレを防止できる「匿名化」とは?「匿名ブラウジング」のメリットと方法【第1回】

Webサイトを閲覧することは、裏返せば自分に関するさまざまな情報をインターネットに提供することだ。それを抑止する「匿名ブラウジング」には、メリットもあれば注意点もある。

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 ユーザーがあるWebサイトを閲覧すると、ユーザーの属性やインターネットでの行動がトラッキング(追跡)されていることがある。企業はトラッキングをすることで消費者に関するさまざまなデータを収集し、それをターゲティング広告(個々のユーザーに適した内容の広告)の表示に使う。しかし、トラッキングはプライバシーを侵害するという見方もあり、「追跡されたくない」と考えるユーザーは少なくないだろう。

 トラッキングを回避してWebサイトを閲覧する方法として、「匿名ブラウジング」がある。匿名ブラウジングとは何か。そのメリットと、デメリットとは。

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 匿名ブラウジングでは、ユーザーの閲覧履歴やフォームに入力された情報、Cookieといった情報はWebブラウザに保存されない。ユーザーのIPアドレスも隠匿され、基本的には第三者が身元や所在地を知り得ることはない。

 このように匿名ブラウジングには匿名性を貫けるメリットがある一方、デメリットもある。ひと言で言うと、不便さだ。

 匿名ブラウジングで閲覧したWebサイトはWebブラウザに記録されないため、オートコンプリート機能が使えない。オートコンプリート機能とは、過去の履歴を踏まえ、入力内容を予測して入力作業を自動化できる機能だ。匿名ブラウジングではCookieも使用できない。Cookieはユーザーのログイン情報や支払い情報、配送情報などを保存することで再入力を不要にする。匿名ブラウジングでは、ユーザーはWebサイトを訪問する度に、それらのデータを全て再入力しなければならない。

 それでもなぜ、匿名ブラウジングをするユーザーがいるのか。主な理由は、Webサイトの運用企業やインターネットサービスプロバイダー(ISP)に、どうしても自分の情報を提供したくないと考えているからだ。明確な理由もなく、とにかくターゲティング広告を嫌うユーザーもいるだろう。

 もう一つ、匿名ブラウジングを利用する理由は、セキュリティを高めるためだ。匿名ブラウジングでは基本的にはIPアドレスが流出することがないため、攻撃に悪用されるリスクもない。他には、政府関連機関など検閲当局による検閲を回避してWebサイトを閲覧するために、匿名ブラウジングが使われるケースもある。


 第2回は、匿名ブラウジングと「プライベートブラウジング」の違いを考える。

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