検索
特集/連載

いまさら聞けない「クラウド」の基礎知識 IaaS、PaaS、SaaSの違いは?クラウド技術入門【前編】

「クラウド」という言葉は日常生活のさまざまな場面で使われるようになった。クラウドコンピューティングの仕組みや利用形態、メリットなど基本を確認しよう。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 「クラウド」という言葉は、普段の生活でもよく見かける存在になった。簡単に説明すると、「クラウドコンピューティング」とはネットワークを介して事業者の提供するコンピューティングリソースを利用することおよびその仕組みだ。クラウドコンピューティングで利用するサービスを「クラウドサービス」と呼ぶ。

 実際にユーザー企業やエンドユーザーが利用するクラウドサービスにはさまざまな利用形態や制約が存在する。クラウドサービスを支える技術も単純ではない。その仕組みと利用形態、メリットについて解説する。

「クラウド」の基礎知識 IaaS、PaaS、SaaSの違いは?

 クラウドサービスが普及する前、ユーザー企業はアプリケーションを社内のデータセンターまたはコロケーション(データセンターの場所貸しサービス)で利用していた。クラウドサービスを利用する場合は、クラウドサービスベンダーのデータセンターでアプリケーションを利用する。

 クラウドサービスを利用するメリットは以下の通りだ。

  • 自社でインフラの購入や保守をする必要がないため、人手やコストを削減できる可能性がある
  • インターネットを介して、時間や場所を問わずクラウドサービスベンダーのデータセンターに保存されたデータにアクセスできる
  • クラウドサービスベンダーのバックアップシステムを利用すれば緊急時にデータを復旧させやすい

 一方で、クラウドサービスには以下のデメリットやリスクがある。

  • クラウドサービスベンダーによる機密情報の取り扱い方法に懸念が生じる可能性がある
  • クラウドサービスでのデータ管理に必要なスキルを持つ従業員を見つけにくい場合がある
  • クラウドサービスベンダーを切り替える際、データの移行やアクセスが問題となる可能性がある

 クラウドサービスには基本的な3つの提供形態がある。それぞれ異なるレベルでワークロードの可視性と権限を提供する。モデルは以下の通りだ。

  • IaaS(Infrastructure as a Service)
    • 仮想化技術を利用してハードウェアリソースを提供する
    • 仮想マシン(VM)をプロビジョニング(配備)するためのインフラを提供する
    • ユーザーはOSのレイヤーから監視ができる
  • PaaS(Platform as a Service)
    • データベースやアプリケーションサーバなどのミドルウェアを提供する
    • ユーザーはデータやアプリケーションをデプロイできる
    • ユーザーはミドルウェア内でのアプリケーションの動作を監視できるが、物理レイヤーを監視することはできない
  • SaaS(Software as a Service)
    • アプリケーションへのアクセスを提供する
    • ユーザーはそのアプリケーションが扱っているユーザー情報や設定情報のみを監視できる

 次回はクラウドコンピューティングと関係が深いクラウドネットワーキングについて解説する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る