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女性エンジニアが「IT業界で働きたくない」のはなぜ? 大切な“5つの条件”:STEM分野における女性活躍の現状【第5回】
IT業界における女性活躍の機会は広がりつつあるが、まだ十分ではない。女性が「IT業界で働きたい」と感じるためには何が必要なのか。変えるべきポイントは5つある。
人工知能(AI)分野をはじめ、STEM(科学、技術、工学、数学)分野を専門とする女性がIT業界で活躍する場は広がりつつある。だが男性中心のイメージが根強く残り、女性が活躍するための条件はまだ十分に整っているとは言えない。現状、女性が活躍するのはなぜ簡単ではないのか。IT業界は何を変えなければならないのか。
女性が「IT業界で働きたくない」のはなぜか 考えるべき“5つの条件”
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IT業界に対する女性の本音
絶え間なく進化するIT業界では、女性も含め全ての人にチャンスが広がっている。だがIT業界で女性が占める割合は依然として男性よりも低い。女性がネットワークを広げることは簡単ではない。
女性がIT業界で働こうとしない背景には何があるのか。変えなければならないのは、以下5つのポイントだ。
- STEM教育の機会提供
- STEM(科学、技術、工学、数学)分野を選択する女子生徒は、まだ少数派だ。早期からSTEM教育に触れる機会を提供し、その分野が有望な進路だということを女子生徒に認識してもらう必要がある。
- メンター制度の推進
- メンター(指導者や助言者)制度を推進し、キャリアの悩みについて女性が相談しやすい環境を提供する。1on1で実施してもよいし、専門家グループやコミュニティーを通じて実施してもよい。
- 採用プロセスにおけるバイアスの排除
- 企業の設立当初に、女性をリーダーポジションで起用する。
- 採用時の最終候補者リストには、多様な人材を意識的に含める。
- 面接官が候補者の実際の姿を見ることなく評価する「ブラインドオーディション」を実施する。
- 賃金のジェンダー格差の解消
- 同等の教育を受け、同等のスキルを持つ男女が同じ企業で同じ仕事をしている場合、その給与額は同じであるべきだ。賃金格差が存在するならその理由を見極め、解消しなければならない。
- 女性側の積極的な行動
- 仕事の機会や、解決すべき問題は常に存在する。女性側も自ら行動を起こし、責任感を持って仕事に取り組む必要がある。そうすることで自身のキャリアアップを実現し、ひいては業界全体の女性活躍につながるはずだ。
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