いまさら聞けない「ルーター」と「スイッチ」 “13種類”の違いとは?:ネットワークを作る8つのデバイス【後編】
ルーターとスイッチは身近なネットワークデバイスの一つだ。用途に応じてさまざまな種類が作られている。ルーターとスイッチを基礎から解説する。
ネットワークは企業の事業活動を支える重要なインフラの一つだ。ネットワークはさまざまなネットワークデバイスで構成されている。本稿は主要な8つのネットワークデバイスのうち、「ルーター」と「スイッチ」について基礎から解説する。
7.ルーター
併せて読みたいお薦め記事
連載:ネットワークを作る8つのデバイス
ネットワークの基礎を学びなおす
ルーターは、あるネットワークから別のネットワークにデータを転送する。ルーターは、受信したパケット(ネットワークを流れる分割されたデータ)を調べて、宛先IPアドレスを特定し、パケットをその宛先に転送する。ルーターはモデムと接続するか、モデム一体型ルーターとして機能することで、インターネットへのアクセスを実現する。
ルーターはIPアドレスやインタフェースなどの経路情報を格納するルーティングテーブル(ルーターに記録される経路情報をまとめた表)を参照して宛先への最適経路を見つける。ルーティングプロトコルとしては「BGP」(Border Gateway Protocol)が一般的だ。
企業ネットワークで一般的に使われるルーターには次のような種類がある。
- エッジルーター
- 内部ネットワーク(LAN)と、外部ネットワーク(WAN)やインターネットとの境界に設置する
- コアルーター
- データセンターや大企業におけるネットワークのバックボーンに設置する。
- ディストリビューションルーター
- エッジルーターとコアルーターの中間に設置する
- 無線ルーター
- 無線LAN(Wi-Fi)接続をエンドユーザーに提供するアクセスポイント(AP)と一体となったルーター
ルーターはOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作する。
8.スイッチ
スイッチは、受信したフレーム(イーサネットでやりとりするデータの最小単位)のMACアドレスを調べて一致するアドレスを持つデバイスにフレームを送信することで、データを宛先に転送する。
スイッチは他のデバイスとイーサネットケーブルで接続する。スイッチは、接続されたデバイスのMACアドレスをアドレステーブルに格納して転送する際に参照する。
ハブは全てのポート間で帯域幅を共有する。それに対して、スイッチは帯域幅を各ポートに割り当てる。スイッチには、次の種類がある。
- アンマネージドスイッチ
- データの転送など基本的な機能のみを備える
- マネージドスイッチ
- VLAN(仮想LAN)の構築やリモート監視機能などの管理機能を備える
- スマートスイッチ
- アンマネージドスイッチとマネージドスイッチの中間に位置するスイッチで基本的な管理機能を備える
- レイヤー2スイッチ
- OSI参照モデルの第2層(データリンク層)で動作するスイッチで、MACアドレスを基にデータフレームを転送する
- レイヤー3スイッチ
- レイヤー2スイッチの機能に加えて、OSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作してIPアドレスを基にパケットをルーティングする機能を持つスイッチ
- PoE(Power over Ethernet)スイッチ
- 電力供給規格「PoE」(Power over Ethernet)に準拠して、イーサネットケーブル(LANケーブル)を使用して電力を給電/受電するスイッチ
- 固定型スイッチ
- ポート数や種類が決まっている
- モジュラー型スイッチ
- ポートや機能を拡張できる
- スタッカブルスイッチ
- 複数のスイッチをスタック(積み重ね)して、1台のスイッチのように運用できる
一般的なスイッチはOSI参照モデルの第2層で動作する。レイヤー3スイッチは、OSI参照モデルの第3層でも動作する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.