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HDDが突然壊れる「よくある前兆」はこれだHDD故障の原因と対処法【第4回】

PCやサーバの内蔵ストレージ、NASなど幅広く使われている「HDD」は、突然壊れることがある。データの損失を防ぐためには、HDDが故障する予兆をつかんで対処することが欠かせない。

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 PCやサーバの内蔵ストレージ以外にも、ネットワーク接続ストレージ(NAS)やバックアップなど幅広く使われている「HDD」は、突然壊れることがある。データが損失する事態に陥らないためには、HDDが故障する前に対処することが欠かせない。以降で紹介する、HDDが壊れそうなときの“前兆”に注意しよう。

HDDが突然壊れる「よくある前兆」とは?

 HDDが故障する原因はさまざまだが、HDDは非常にデリケートなデバイスであるため、特に物理的な原因には注意する必要がある。故障の予兆をできるだけ早期に認識することで、データ損失を防ぐための適切な対策が取れるようになる。

データの消失やブートエラー

 内部で故障の原因が生じていると、HDDにさまざまな兆候が表れる。例えば、

  • データが消えたり、ファイルが壊れたりする
  • ブートエラー(コンピュータ起動時にOSが正常に読み込まれない異常)が発生する

といった事象が頻繁に発生する場合は、「マルウェア感染」や「不良セクタの増加」の疑いがある。不良セクタは、HDDのデータ記録領域を最小単位として区切った「セクタ」の異常のことだ。不良セクタはHDD全体の故障につながる。

HDD内部の異音

 HDD内部から「カチカチ」「コンコン」「ギーギー」といった異音が聞こえてくることも重要な故障のサインだ。それぞれ以下のような故障の可能性がある。

  • カチカチ
    • ヘッドクラッシュが発生している可能性がある
    • ヘッドクラッシュは、磁気ヘッド(データ読み書きを担う部品)がプラッタ(円盤状の記録媒体)に接触する不具合
  • コンコン
    • 磁気ヘッドが正しい位置に移動できていない可能性がある
  • ギーギー
    • モーターに異常が発生している可能性がある

煙や異臭

 次のような異常もある。

  • 煙が出たり、焦げた臭いがする

 この場合は、プリント基板(PCB)の異常である可能性がある。PCBは、電子回路を形成し、さまざまな部品を接続するための基板だ。電力サージ(一時的に発生する異常な電力供給)によってPCBが焼けることがある。

HDDの異常を診断

 故障に備えるためには、物理的な異常に注意しながら、HDDの稼働状況を注意深く監視することが重要だ。HDDの自己診断機能「S.M.A.R.T.」(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)から取り組んでみるのも一つの手だ。

 S.M.A.R.T.は、企業向けHDDにたいていの場合組み込まれている診断ツールだ。S.M.A.R.T.を活用することで、関連する指標を確認しながら、HDDの故障が近いことを特定できるようになる。他の監視ツールを使用する方法もある。そうした方法を用いながら、古くなったHDDが壊れる前に交換しよう。


 次回は、ソフトウェアやデータに起因してHDDが故障する原因を解説する。

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