Javaの「main」メソッドは何のためにあるのか:JavaとPythonを比較【前編】
開発者が当たり前のように記述しているJavaの「main」メソッドには、プログラムの安全性に関わる重要な仕組みが隠されている。サンプルプログラムを通じて、mainの重要性を確かめよう。
私は最近、対話的なプログラム開発・実行環境「REPL」(Read-Eval-Print Loop)に関して、プログラミング言語「Java」と「Python」を比較する記事を執筆した。これに対して、一部のPythonユーザーから「不公平な比較だ」という意見が寄せられた。
そこで本連載は、両言語の設計思想をより明確に反映している観点、具体的にはスタンドアロンアプリケーションにおけるエントリーポイント(プログラムの実行開始点)の実装方法を比べてみよう。
Javaで「Hello World」はどう実装する?
まず、スタンドアロンのJavaプログラムを作成することを考える。「Hello World」という文字列を標準出力に表示するプログラムのソースコード例は以下の通りだ。
void main() { System.out.print("Hello World"); }
「main」メソッドとは?
Javaの「main」メソッド(処理)は、Javaプログラムにおけるエントリーポイントとして機能する。mainメソッドを記述するための構文はシンプルで明確だ。プログラム実行時に引数を渡すための「コマンドライン引数」を利用できる点も特徴だ。以下の例は、外部から受け取った引数を「args」という配列(同一データ型の集合)に格納し、引数の数を標準出力に表示する。
void main(String args[]) { System.out.print(args.length); }
mainメソッドのメリット
Javaのmainメソッドには、以下をはじめとする利点がある。
- プログラムの開始位置が明確になる
- 「C」とその派生プログラミング言語を扱う開発者にとって、親しみやすい構文を持つ
- プログラムがメソッドを呼び出さない限り実行されないため、意図しない実行を防ぐことができる
- 実行時に引数をプログラムに渡せる
- 構造がシンプルで、プログラミング初心者にも分かりやすい
次回は、Pythonでスタンドアロンアプリケーションを実装する方法と、その際の注意点を取り上げる。
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