いまさら聞けない「従業員エクスペリエンス」「従業員エンゲージメント」の違い:職場を活気づける“2つの要素”【前編】
いずれも職場に活気をもたらす要素「従業員エクスペリエンス」と「従業員エンゲージメント」には3つの違いがある。どのような違いがあるのか。
従業員エクスペリエンスと従業員エンゲージメントは、いずれも職場に活気をもたらす要素だ。両者は似た概念だが、明確な違いもある。これらの違いを理解することは、それぞれを改善するための鍵になる。両者の違いは何か。
そもそも「従業員エクスペリエンス」「従業員エンゲージメント」とは?
従業員エクスペリエンスとは?
従業員エクスペリエンスは、企業における入社から昇進、退職までの従業員の“旅路”を指す。具体的には、業務における他者とのやりとり、同僚や上司との関係、職場文化に対する認識など、さまざまな体験や経験が含まれる。
ポジティブな従業員エクスペリエンスを創出することは、従業員の生産性やエンゲージメントの向上、成果の改善など、幾つかのメリットをもたらす可能性がある。
従業員エンゲージメントとは?
従業員エンゲージメントは、従業員が組織社に対して抱く献身の度合いや業務に対するモチベーションを指す。これは、単なる業務の満足度以上の意味を持つ概念だ。エンゲージメントの高い従業員は、組織のミッション(使命)やバリュー(行動指針)に賛同し、組織の戦略を推進させる手助けをする。
従業員エクスペリエンスと従業員エンゲージメントの3つの違い
人事担当者が従業員エクスペリエンスと従業員エンゲージメントの違いを理解し、それぞれがどのように関連しているかを知ることは、両者を高める鍵になる。その違いを詳しく見てみよう。
1.時間軸
従業員エクスペリエンスは、入社から退職まで、従業員が組織に属する間の旅路を指す。対して従業員エンゲージメントは、従業員の献身の度合いやモチベーションの状態を説明するものであり、旅路の最終目標に例えることができる。
2.分析の指標
人事担当者や他のリーダーは、入社から退社まで従業員に継続的なフィードバックを実施し、それから得られるデータを用いて従業員エクスペリエンスを分析する。一方で人事担当者は、従業員の満足度、モチベーションなどを測定する調査を通じて従業員エンゲージメントを可視化する。
3.管理職の関与
従業員エクスペリエンスの責任は、人事担当者や上級管理職など複数の部門が負うものだ。対して従業員エンゲージメントの責任は、その従業員の直属の上司および上級管理職が負うものだ。なぜなら、従業員エンゲージメントは直接的なやりとりや日常の活動を通じて育まれるためだ。
後編は、従業員エクスペリエンスを改善するための5つの方法を紹介する。
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