Googleではなく検索AI「ChatGPT Search」を使う“4つの理由”:ChatGPT×検索エンジンで何が変わる?【後編】
2024年10月にOpenAIが提供開始した「ChatGPT Search」は、Google検索と何が違うのか。ChatGPT Searchの魅力とは何か。4つのポイントを解説する。
Googleは長年の間、検索エンジン市場の代表的な存在であり続けてきた。AI(人工知能)ベンダーOpenAIは、その地位の奪取に挑もうとしている。
2024年10月、OpenAIはAIチャットbot「ChatGPT」に検索エンジンを組み合わせた「ChatGPT Search」の一般提供を開始した。Googleの検索エンジン「Google検索」(Google Search)をはじめとする従来型の検索エンジンと比べて、何が進化したのか。
Google検索ではなく「ChatGPT Search」を使う“4つの理由”
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連載:ChatGPT×検索エンジンで何が変わる?
AIの活用術
1.より分かりやすい情報提供
Googleの検索エンジン「Google検索」(Google Search)をはじめとする従来型の検索エンジンは、基本的には情報源を指し示すインデックスとして機能し、直接質問に答えられるわけではない。
Google検索には、AIモデルによる要約や抜粋を提供する機能「AI Overviews」(旧Search Generative Experience=SGE)が備わっている。一方で、Google検索の主な役割は、依然として外部Webサイトのリンクを表示することだ。ChatGPT Searchは単なるリンクの提示にとどまらず、情報源を要約して、ユーザーが求める情報を迅速かつわかりやすく提供できる。
2.文脈の維持
Google検索では各検索が独立しており、質問の文脈が次の質問に受け継がれることはない。これに対し、ChatGPT Searchでは、複数の質問における文脈を維持し、一貫性のある対話を実現する。
3.検索精度の向上
従来のGoogle検索はキーワードの一致に依存しており、ユーザーは複数のWebサイトを精査する必要があった。加えて、検索エンジン最適化(SEO:Webページの検索ランキングを上げるための技術)の影響で、検索結果が特定の方向に偏るケースもあった。
ChatGPT検索では、リアルタイムの情報と大規模言語モデル(LLM)を組み合わせることで、より質問者の意図に沿った情報を検索し、提供することが可能だ。
4.広告の排除
ChatGPT検索は広告のないインタフェースを提供する。一方、Google検索では検索結果に広告が表示されるため、ユーザー体験に違いが生じる。
今後の進化への期待
OpenAIは、ChatGPT Searchの今後に関する幾つかの計画を明らかにしている。具体的には、以下のような進化が期待される。
- バーティカル検索の強化
- バーティカル検索とは、特定のコンテンツタイプやカテゴリに特化した検索機能を指す。OpenAIは、ショッピングや旅行といった特定の業界での検索能力を向上させる計画を進めている。
- ChatGPT-4o with Canvasとの統合
- 「ChatGPT-4o with Canvas」は、ライティングやコーディング作業向けのインタフェース。OpenAIは、ChatGPT-4o with CanvasからもChatGPT Searchを利用できるように計画している。
- 音声機能の搭載
- OpenAIは、ChatGPT Searchと音声機能の統合を計画している。
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