欧州の“お堅い銀行”が相次いで「Google Cloud」を導入する理由とは:金融業界のDX本格化
欧州の金融機関が「Google Cloud」を採用する動きが広がっている。銀行はクラウドサービスを使って何を目指すのか。
イタリアの銀行UniCreditはGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud」を採用し、人工知能(AI)技術を使ったデータ分析に注力する。同社は2025年5月、Google Cloudの利用についてGoogleと10年間の契約を締結したと発表した。UniCreditが描いているデジタルトランスフォーメーション(DX)のビジョンとは。
UniCredit以外も導入広がる 欧州銀行のDX戦略はこれだ
併せて読みたいお薦め記事
Google Cloud活用法
UniCreditはGoogle CloudをAI技術によるデータ分析の基盤として用いる。Google Cloudには、機械学習モデル構築支援ツール「Vertex AI」や、大規模言語モデル(LLM)「Gemini」といったGoogleのAI関連技術が含まれる。UniCreditはこれらの技術を利用し、顧客体験を高めるためのサービス開発に取り組む。業務効率や投資事業における分析作業にもAI技術を使う方針だ。
UniCreditのデジタル情報責任者のアリ・カーン氏は、「Google Cloudの採用はAI技術の利用を本格化させるための大胆な動きだ」と述べる。2021年、UniCreditは欧州の金融業界におけるクラウドサービス採用の加速を目指す連盟「European Cloud User Coalition」(ECUC)の創設に携わった。今回のGoogle Cloudの採用によってクラウドサービスを基盤としたビジネス改革に踏み切るとしている。
セキュリティ強化にも
近年、Google Cloudは金融業界の採用事例が広がりつつある。各社の主な取り組みを以下に挙げる。
- 英国で銀行や保険事業を手掛けるLloyds Banking Group
- Vertex AIを使い、機械学習によってデータサイエンティストの業務負荷の軽減を図っている
- ドイツの銀行Commerzbank
- 2024年までに大半の業務アプリケーションをGoogle Cloudに移行した
- スペインの銀行Banco Bilbao Vizcaya Argentaria(BBVA)
- 2021年にGoogle Cloudを採用してセキュリティシステムを刷新。AI技術によって脅威を分析して攻撃を予測し、自動的に防御策を講じるようにしている
TechTarget.AIとは
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。