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Linux監視ツール入門【CPU・メモリ編】 性能を可視化する定番ユーティリティーLinux監視ユーティリティー19選【第1回】

Linuxサーバのパフォーマンス監視は、安定運用の要だ。「ps」「top」「free」など、CPUとメモリの使用状況を把握するための基本的な監視ユーティリティーを紹介する。

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 オープンソースのOS「Linux」を搭載するサーバのパフォーマンス監視は、システム管理において最適な運用を保証するために非常に重要だ。Linuxサーバのパフォーマンスを効果的に管理するには、管理者は利用可能な監視ユーティリティー(ツール)を検討し、システムのニーズに適したものを選択する必要がある。

 本稿ではLinuxディストリビューション(配布パッケージ)に一般的にインストールされているパフォーマンス監視ユーティリティーを取り上げる。第1回となる今回は、Linuxサーバの4つのリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク)のうち、CPUとメモリの監視ユーティリティーを紹介する。

Linuxのプロセッサとメモリのユーティリティー

 システム監視は、プロセッサとメモリの情報から始まる。ほとんどのLinuxディストリビューションにはさまざまなパフォーマンス監視ユーティリティーが含まれている。ps、top、df、du、freeなどのユーティリティーは通常利用することができる。特定のディストリビューション用の追加ユーティリティーは、好みのパッケージマネジャーで見つけることができる。組み込みコマンドから始め、必要に応じて追加の監視ユーティリティーをインストールするとよい。

1.ps

 「ps」コマンドはプロセスに関する情報を表示する。これにはプロセスID番号が含まれ、「kill」「nice」「renice」といったコマンドでプロセスを操作する際に重要となる。

基本的な使用法:ps -ef


 出力を「| grep -i sshd」コマンドにパイプ(コマンドの出力を別のコマンドの入力としてつなげること)することで、「sshd」のような名前で特定のプロセスを検索できる。

 出力をlessにパイプするとより見やすくなる。

2.lscpu

 「lscpu」コマンドは「/proc/cpuinfo」ファイルに詳細なプロセッサ情報を表示する。ベースラインの確立、サーバの構成の文書化、プロセッサの種類と機能の理解などに使用される。

基本的な使用法:lscpu

ファイル内での基本的な使用法:cat /proc/cpuinfo


3.free

 「free」コマンドは、消費されたメモリと利用可能なメモリの合計を含むシステムメモリの使用状況を表示する。出力は列に整理されている。「free -h」を使用すると、メビバイトやギビバイトなど、人間が読みやすい形式でメモリ単位を表示できる。ほとんどのディストリビューションでは、出力にキビバイト(1024バイト)が表示される。

基本的な使用法:free -h


4.smem

 ほとんどのディストリビューションには「smem」ユーティリティーが含まれていないが、「free」や「vmstat」より包括的にメモリと仮想メモリの使用状況を見ることができるため、インストールする価値はある。また、ユーザー別にソートする「-u」オプションなど、広範なフィルタリングも提供する。

基本的な使用法:smem


5.vmstat

 仮想メモリを使用すると、RAMが不足した際にシステムはストレージから領域を借りることができる。「vmstat」ユーティリティーは、仮想メモリの使用に関する情報を表示する。実行可能スリープや中断不能スリープなどのプロセス、仮想メモリの使用量、空きメモリ、ストレージ上のスワップスペースの値も表示される。

基本的な使用法:vmstat


 「-S」オプションを使用して表示単位を変更できる。例えば、「vmstat -SM」と入力するとMB単位で情報を表示する。

プロセッサとメモリ管理におけるtopの使用

 「top」ユーティリティーは、ほとんどのLinuxディストリビューションに搭載されている。これはプロセッサやメモリ管理に役立つユーティリティーで多くのバリエーションが存在し、追加の機能や詳細を提供する。システム管理者は、パフォーマンス管理ツールとして「htop」、「bashtop」、「bpytop」を導入することを検討すべきだ。

6.top

 ユーザーは「top」内でプロセスを操作できる。「top」コマンドは、プロセスごとのプロセッサおよびメモリの使用状況をリアルタイムに表示する。システムの稼働時間や「free」「vmstat」のデータも表示する。これはシステム上のリソースを大量に消費するプロセスを特定するのに役立つ。出力はCPUやメモリの使用状況でソートできる。

基本的な使用法:top


7.htop

 「htop」を使用すると、topとは異なる表示形式を備えたカラフルでユーザーフレンドリーなインタフェースが得られる。多くの管理者が「htop」を好み、自身のディストリビューションに追加している。

基本的な使用法:htop


8.bashtop

 「bashtop」を使うとグラフでパフォーマンス情報を表示することができ、特定のニーズに合わせてカスタマイズできる。プログラミング言語「Python」版では「bpytop」だ。

基本的な使用法:bashtop



 次回の第2回は、ストレージ関連の監視ユーティリティーを紹介する。

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