Linux監視ツール入門【統合編】 システム全体を把握するユーティリティー:Linux監視ユーティリティー19選【第4回】
LinuxではCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークの全てを包括的に監視できるユーティリティーも存在する。今回は「atop」や「glances」などシステム全体を統合的に把握するためのユーティリティーを紹介する。
システム全体のパフォーマンスを正しく把握するには、CPUやメモリ、ストレージ、ネットワークの各リソースを個別に監視することも重要だが、それだけでは十分ではない。複数のリソースが相互に影響し合う中で、全体を俯瞰して見られる「統合型ユーティリティー」が必要だ。
第4回となる今回は、「atop」や「glances」といった統合型監視ツールの特徴を紹介しつつ、どのような場面で活用すべきか、ユーティリティー選定時のポイントについても解説する。
Linuxの包括的な監視ユーティリティー
多くの包括的な監視ユーティリティーは、4つのサブシステム全てに関する情報を統合している。例えば、「atop」と「glances」は、システムの健全性とパフォーマンスの完全な状態を提供するユーティリティーだ。
18.atop
システムのパフォーマンスをより完全に把握するには、「atop」を使用する。4つの主要サブシステム全てをカバーし、後の分析のために情報を記録し、ネットワークではパケットデータを詳細に調べる。
基本的な使用法:atop
19.glances
「glances」を使用すると、標準的なCPUとメモリのメトリクス、ストレージI/O、ネットワークI/O、サーバのマザーボード上の温度センサーを監視することができる。これはPythonで書かれており、クロスプラットフォームの監視ユーティリティーとなっている。リモート監視機能もサポートしている。このユーティリティーは、クライアントOS「macOS」や「Windows」搭載PCを含む全てのシステムを管理できる。
基本的な使用法:glances
併せて読みたいお薦め記事
連載:Linux監視ユーティリティー19選
- 第1回:Linux監視ツール入門【CPU・メモリ編】 ps、top、htopの定番ユーティリティー
- 第2回:Linux監視ツール入門【ストレージ編】 I/Oの動きを見抜くユーティリティー
- 第3回:Linux監視ツール入門【ネットワーク編】 通信を可視化できるユーティリティー
パフォーマンス監視ユーティリティーを選択する際の考慮事項
パフォーマンス監視は、システムのCPUとメモリから始める。これらのコンポーネントがストレージとネットワークの機能を駆動する。プロセッサが過負荷でなく、システムに十分なRAMがあれば、ストレージ容量とI/Oパフォーマンスを確認する。ストレージに負荷がかかり過ぎている場合、強力なサーバでも遅くなる可能性がある。次に、システムに出入りするネットワークトラフィックを特定する。どのプロセスが最も多くのトラフィックを生成しているかを示すネットワーク監視ユーティリティーを使用する。
1つのプロセスが複数のサブシステムに与える影響や、システム全体の負荷のような重複する領域も考慮する必要がある。包括的なユーティリティーは、より広い視点を提供し、プロセスが複数のカテゴリーにわたるパフォーマンスにどのように関連しているかを示す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.