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面倒な「ストレージ管理」が過去のものに “常識”を覆すPure Storageの新構想Pure Storageの新構想「EDC」【前編】

Pure Storageは、管理を自動化し、クラウドサービスのような利便性を実現する新構想「Enterprise Data Cloud」(EDC)を発表した。複雑化する企業のデータ管理をどう支援するのか。

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 オールフラッシュストレージベンダーのPure Storageは、2025年6月にラスベガスで開催したイベント「Pure//Accelerate 2025」で、新しいストレージ構想「Enterprise Data Cloud」(EDC)を発表した。高性能ストレージが必要な企業を対象に、ストレージの性能向上と運用の省力化を目指す。具体的にはどのようなものなのか。

Pure Storageの幹部が語る、EDCの目玉機能

 EDCの中核を成すのが、ストレージ管理ソフトウェア「Pure Fusion」だ。Pure Fusionは、Pure Storageのストレージ製品を一元管理するとともに、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)での連携によってストレージ管理の自動化を実現する。

 Pure Storageバイスプレジデント(プロダクトマネジメント担当)のチャド・ケニー氏によると、EDCはオンプレミスシステムかクラウドサービスかを問わず、ユーザー企業が運用する各種ストレージを単一のストレージプールとして仮想的に統合する。その上で、自動発見ツールがデータの特性に応じて最適な保存場所を判断し、ストレージの割り当て(プロビジョニング)を自動化することによって、ストレージ管理者の負荷を減らす。

 ユーザー企業では近年、SaaS(Software as a Service)が普及しており、ユーザー企業はSaaSのような拡張性や管理性をオンプレミスシステムにも求めるようになった。ITコンサルティング会社Silverton Consultingの創設者兼プレジデントであるレイ・ルッケシ氏は、EDCについて、「同社製ストレージをSaaSのように使えるようにし、アーキテクチャの刷新を成し遂げた」と評価する。

競合との差異は?

 EDCの投入は、それまでハードウェア中心だったPure Storageが、ハードウェアの管理や活用も支援するという戦略の変更を示す。Informa TechTarget傘下のEnterprise Strategy Group(ESG)のアナリスト、サイモン・ロビンソン氏は、「2015年ごろのPure Storageはストレージのハードウェアを中心に手掛ける企業だったが、今では管理用ソフトウェアも含め、幅広い製品ラインアップをそろえるようになった」と述べる。

 ストレージ業界でソフトウェアに注力しているのは、Pure Storageだけではない。ロビンソン氏によれば、同業他社のNetAppもデータ管理ソフトウェアの開発に取り組んでいる。ただし両社の戦略には違いがあるという。「NetAppがデータ管理を重視しているのに対し、Pure Storageはデータ管理よりもITインフラ管理に重点を置いている」と同氏は説明する。調査会社Forrester Researchのアナリストのブレント・エリス氏も、データ管理に関してはNetAppのソフトウェアの方が、機能が充実しているとの見解を示す。


 次回は、Pure Storageが発表した新たなハードウェアを紹介する。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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