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経営層の支援がデータ活用を左右 サイボウズ、大企業の部門間連携実態を発表CIO、CTOの存在も影響

サイボウズは、企業560社の情報システム部門を対象に、IT部門と事業部門の部門間連携に関する実態調査を実施した。連携を重視する動きがある一方、連携を阻むさまざまな課題があることが分かった。

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 サイボウズは2025年10月31日、大企業におけるIT部門と事業部門の部門間連携に関する実態調査の結果を発表した。この調査の回答者は、従業員数1000人以上の企業560社の情報システム部門に在籍している、もしくは情報システム業務に関与している係長以上の従業員だ。調査では、連携を重視する企業が多数を占める一方、連携の成功を左右するさまざまな課題があることも明らかになった。

連携を左右する要素は?

 IT戦略の推進において、IT部門と事業部門の連携を「大いに重視している」または「ある程度重視している」と答えた企業を合わせると、全体の85%が部門間連携を重視していることが分かった。

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部門間連携を重視している度合い(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

 回答者のうち490人に部門間連携における経営層の姿勢を尋ねたところ、「関心があり、部門間連携を支援している」と回答したのは51%、「関心はあるが支援していない」と答えたのは39%だった。回答者の9割が部門間連携に関心を寄せているものの、実際に支援を実施している企業は約半数にとどまった。

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部門間連携における経営層の姿勢(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

 調査では、部門間連携で実施している具体的な取り組みについても尋ねた。その結果、「セキュリティの強化支援」が最多で49%、「全社、事業部門間のシステム連携」(41%)、「ガバナンスに沿った運用ルールの策定」(38%)が続いた。一方、「全社、事業部門間のデータ活用」は34%にとどまり、システム間連携におけるデータ活用が十分に実施されていない実態が明らかになった。一方、実施できていないが特に必要と感じる取り組みを尋ねた結果、最も割合が高かった答えとして「全社、事業部門間のデータ活用」(15%)が挙がった。

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現状実施していないが特に必要と感じる取り組み(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

 データ活用の取り組みが、経営層の支援の有無に左右される可能性があることも調査から明らかになった。経営層が「部門間連携に関心があり、支援している」と答えた回答者の44%が、「データ活用に取り組んでいる」と回答した。一方、「部門間連携に関心はあるが支援していない」と答えた回答者のうち「データ活用に取り組んでいる」と答えたのは30%、「関心がなく、支援もしていない」は15%だった。サイボウズは「経営層の関与がデータ活用の推進を左右する」と分析している。

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部門間連携の取り組みと、経営層の姿勢(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

 調査では、回答者のうち419人にIT部門が考える部門間連携の課題についても尋ねた。その結果、「人的リソースが確保できていない」(50%)、「ITリテラシーの差」(44%)が上位を占め、人にひも付く課題が部門間の連携を阻む実態が明らかになった。

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部門間連携の取り組みと、経営層の姿勢(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

 ただし調査結果からは、CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)が在籍する企業では人にひも付く課題が軽減される傾向がみられた。「ITリテラシーの差」を部門間連携の課題であると答えた回答者は、「CIOがいる企業」の42%、「CIOがいない企業」の52%で、CIOがいる企業のほうが、CIOがいない企業に比べ10ポイント低かった。「人的リソースが確保できていない」については、CTOがいる企業の47%、CTOがいない企業の57%で、ITリテラシーの差と同様にCTOがいる企業のほうが、CTOがいない企業に比べ10ポイント低かった。

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CIOやCTOの有無と人にひも付く課題(提供:サイボウズ)《クリックで拡大》

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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