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電話もチャットもAIがお出迎え “3.5倍”働くコンタクトセンター実現へコスト削減と安定運営を両立

NTTデータは、AIエージェントを活用したカスタマーサポート業務変革サービス「LITRON Customer Engagement」の提供を開始する。AIエージェントで生産性を最大3.5倍に高め、深刻化する現場の課題解決を目指す。

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顧客満足 | 経営 | 人工知能 | 業務改善


 2025年11月6日、NTTデータは、人工知能(AI)エージェントを活用したカスタマーサポート業務の変革を支援するサービス「LITRON Customer Engagement」の提供を2025年12月から開始すると発表した。AIエージェントを使ってカスタマーサポート業務を効率化する製品やサービスにはさまざまなものがある。NTTデータは、本サービスにより現行業務の生産性を最大3.5倍に高め、創出した余力を高付加価値業務に振り向けられると説明している。同サービスの特徴を紹介する。

LITRON Customer Engagementが具体的に提供する内容は?

 NTTデータによると、LITRON Customer Engagementを開発した背景には、顧客との関係構築が企業競争力の鍵となる中、カスタマーサポートに求められる役割が「問題解決」から「戦略的顧客接点」へと進化している現状がある。しかし、カスタマーサポートの現場では人材不足や業務の複雑化といった構造的課題が深刻化しており、AIツールの導入による抜本的な業務改革への期待が高まっているという。

 同サービスは、カスタマーサポートにおける戦略策定からAIエージェントの導入、運用体制の構築や実行までを一貫して支援する。PoC(概念実証)や一部業務でのスポット的な利用にとどまらず、AIエージェントを業務プロセスに組み込み、業務変革の実現までを見据えている。

 NTTデータはLITRON Customer Engagementの使用を通じて、「現行業務の生産性を最大3.5倍に向上させ、創出されたリソース余力を高付加価値業務へ再配分することで、顧客エンゲージメントやLTV(顧客生涯価値)の最大化を図る」としている。さらに、人的コストを抑制しつつ、顧客体験の質と接点量を向上させることで、カスタマーサポートのコスト最適化と安定運営の両立を図るという。

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LITRON Customer Engagementの全体像(提供:NTTデータ)《クリックで拡大》

 一方、AIエージェントの適用範囲が広がるほど、顧客応対の信頼性や安心感をどう確保するのかが課題になる。NTTデータによると、LITRON Customer Engagement では、AIエージェントが自律的に判断、実行できる範囲と、顧客が求めるサービスレベルに応じて人間の従業員が関与すべき範囲を切り分けて設計することで、カスタマーサポートにおける信頼性を確保するとしている。

 さらに、AIエージェントが取得したデータや人間の従業員からのフィードバックを学習に活用しながら、AIエージェントの業務範囲と精度を継続的に高めていく。これに加え、組織体制の見直しや人間の従業員のスキルシフトも進め、テクノロジーと組織の変革を一体で進めるとNTTデータは説明する。

 LITRON Customer Engagementの提供に当たっては、NTTデータの関連会社で、コンタクトセンタービジネスを展開するNTTマーケティングアクトProCXと連携し、同社が培ってきた業務知見や実行力を取り入れることで、実運用で成果を生み出せるカスタマーサポート業務変革サービスを目指す。同社は、全国39カ所の拠点で、最大約7000人が同時に業務できる大規模なコンタクトセンターBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業を展開している。

 NTTデータとNTTマーケティングアクトProCXは、AIエージェントや業務変革メソッドの検証、開発を実施する「LITRON Customer Engagement Lab」を共同で設立し、サービスの高度化を継続していく計画だ。

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