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バックアップ20時間の悪夢 GMOインターネットが選んだ脱オンプレDBの特効薬インフラ費用15%削減の効果に期待

GMOインターネットの基幹データベースシステムは、バックアップに20時間を要する「限界状態」にあった。同社がこの危機を脱するために選択したのがオンプレミス製品からの脱却だ。その成果を支えたものとは。

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 インフラ運用担当者にとって、「バックアップが終わらない」ことほど胃の痛くなる事態はない。インターネットサービス事業を手掛けるGMOインターネットも、この問題に悩まされていた。ドメイン登録やレンタルサーバなど約951万件の契約を有する基幹データベースは、オンプレミスのデータベース専用システム「Oracle Exadata」で運用されていたが、データ量の増大によってバックアップ処理に20時間を要する事態に陥っていた。メモリ容量も限界に達しており、新規サービスの立ち上げに必要な処理能力や記憶領域でさえ確保がままならない状況にあった。

 この状態を打破するため、GMOインターネットはデータベースシステムの刷新を決断した。選択したのは、従来のオンプレミス製品と親和性が高いデータベースサービス「Oracle Exadata Database Service」だ。これはOracleのクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)として提供される。

 2025年5月の本稼働開始後、バックアップ時間は約90%短縮され、運用担当者を拘束していた待機時間やスケジュール調整の負担は解消した。ITインフラにかかる費用についても、オンプレミスシステム利用時から約15%の削減を見込んでいる。この成果を支えたデータ圧縮の具体策とは何か。

なぜバックアップ時間を10分の1に短縮できたのか

 データベースのクラウド移行においてGMOインターネットが重視したのは、既存資産を生かしつつ、将来に向けてシステムの拡張性を確保することだ。移行に際してはデータ圧縮機能「Oracle Advanced Compression」を活用し、データ容量と転送時間を削減することでバックアップ時間を短縮した。

 1つのデータベース内に複数の独立したデータベースを構築できる「マルチテナント構成」を採用することで、セキュリティを維持したまま、新規データベースを迅速に追加できる体制を整えた。構成ミスや脅威を検出する「Oracle Cloud Guard」や、データベースのセキュリティ状態を評価、管理する「Oracle Data Safe」を導入し、運用の可視化と監査プロセスも強化している。

 今後のロードマップでは、災害対策(DR)サイトの戦略的な活用を視野に入れている。通常、DRサイトは緊急時以外使われない「休眠資産」になりがちだが、GMOインターネットはDRサイトをデータ分析用のインフラとして有効活用する計画を立てている。運用中のサービスに負荷を掛けずに、高度な分析処理を実行する狙いがあるという。

 GMOインターネットの市村元識氏(インフラ技術部ミドルウェア技術チーム マネージャー)は、従業員が誰でもデータを扱える「データの民主化」を掲げる。その一環として、大規模言語モデル(LLM)とアプリケーションがやりとりするための標準規格「Model Context Protocol」(MCP)の活用を推進する。同社はAI機能搭載データベース「Oracle Autonomous AI Database」を用いたPoC(概念実証)を進めており、将来的にはAI機能「Select AI」を用いて、自然言語によるクエリでデータベースから直接回答を引き出す仕組みを整備する方針だ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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