「Linux導入で現場が大混乱」を避けるための“地雷除去”マニュアル:再評価されるLinuxの強み【後編】
Windows 10のサポート終了を迎え、Linuxへの移行を検討する企業がある。本稿は、Linux導入のステップや注意点、最適なディストリビューションやハードウェアの選び方を解説する。
オープンソースソフトウェア(OSS)のOS「Linux」の導入はエンジニア向けで、手間がかかるものと捉えられがちだ。しかし、適切な手順を踏むことでその手間を減らすことができる可能性がある。それでも、導入を成功させるには慎重な計画が不可欠だ。本稿は、Linuxを導入するに当たって知っておくべき流れや課題を紹介する。
Linux導入前に解決すべき課題は
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再評価されるLinuxの強み
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- ハードウェアの互換性
- 既存ハードウェアの再利用には互換性の課題が生じる場合がある。ただし、Linuxは多くの標準デバイスに対応しているものの、無線LANや周辺機器など一部では事前検証が必要となる。
- アプリケーションの互換性
- SaaSやLinux専用ソフトだけでは利用できないサービスもある。業務に特化したアプリケーションや特定のOSに依存したプログラムがLinuxで動作しない場合がある。
- テクニカルサポート
- 必要な水準のサポートを提供するディストリビューション(配布パッケージ)を選定する。
- 従業員への研修
- 社内のIT部門が、Linux対応で発生した問題を迅速かつ的確に解決できるようにするための研修が求められる。
Linuxへの移行計画
Windows 10のユーザーがLinuxに移行するのを支援する「End-of-10」キャンペーンを参照するのが一考だ。この他にも、さまざまなフレームワークが整備されている。移行ステップは主に以下の通りだ。
- 移行前の評価
- 既存のアプリケーション、ハードウェア、ドライバ、重要なワークロードを棚卸する。
- 計画の策定
- ディストリビューションとハードウェアの選定、展開方法の準備、ハードウェア互換性の確認を実施する。この段階でユーザーサポートについても検討、策定する。
- 移行実施
- OSと業務アプリケーションを展開する。
- 移行後の検証
- データ移行、アプリケーションの動作、IT部門の問い合わせ対応の状態を確認する。
- 追加要件
- 組織標準の変更管理フレームワークに準拠しているか確認する。
エンタープライズ向けのLinuxハードウェア
ハードウェアベンダーの多くは、Linuxの動作を正式に保証しているデスクトップPCやノートPCを提供している。主要なLinuxベンダーは、ディストリビューションごとに最適なハードウェアを選定するための認証情報を公開している。
一般的な選択肢としては、Dell Technologiesの「Latitude」シリーズ、Lenovoの「ThinkPad」シリーズ、FrameworkやSystem76といったメーカーのノートPCがある。
持続可能性の観点も、ハードウェアの調達に影響を与える。特にMicrosoftが定めるWindows 11の最小システム要件を満たしておらず、正式な手順ではWindows 11にアップグレードできないハードウェアからの移行が必要な企業にとって、既存ハードウェアの再利用は有力な選択肢となり得る。Linuxは、ディストリビューションやデスクトップ環境を選べば、比較的少ないリソースで動作させることが可能だ。64bit版プロセッサだけでなく、32bit版を提供するLinuxディストリビューションも存在する。Mac向けハードウェアの中にも、Linuxとの互換性を備えているものがある。
エンタープライズ向けのLinuxディストリビューション
WindowsからLinuxへの移行を進める際、以下のディストリビューションが選択肢となる。
- Fedora
- Red Hatが支援するコミュニティーFedora Projectが開発している。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と関連しているため、RHELをサーバプラットフォームとして採用している環境に適している。
- Linux Mint
- 使いやすさを重視しており、Windowsに近い操作感を求めるエンタープライズユーザーに適している。ディストリビューションの1つである「Ubuntu」を基盤としており、Ubuntuを開発するベンダーCanonicalのリポジトリを利用できる。
- SUSE Linux Enterprise Desktop
- 高いセキュリティ性と保守性に加え、業務利用に必要な生産性アプリケーション群を標準で備えている。エンタープライズ向けワークステーションとしては、openSUSE Leapも検討の選択肢となり得る。
- Ubuntu Desktop
- 透明性が高く、コミュニティー主導でアクセスしやすい。幅広いサポートを備えている。
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