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「高評価でも辞めます」が半数超 情シス崩壊を招く“上司の勘違い”「一人情シス」が抱える“3つの欠乏”とは

中小企業のシステムを支える情報システム担当者の過半数が、社内で評価されていることを実感しながらも離職を検討している実態が明らかになった。組織崩壊の前に気付くべき予兆とは。

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IT部門 | 人事


 「君を評価している」という言葉は、情報システム(情シス)担当者を職場につなぎとめる力にはならない――。IT人材の育成事業を手掛けるウェヌシスが実施した調査では、中小企業の情シス担当者の8割以上が「会社から評価されている」と実感していながら、その過半数が「辞めたい」と考えている実態が明らかになった。

 なぜ承認欲求が満たされているにもかかわらず、彼らは去ろうとするのか。データからは、個人のやる気や上司の感謝ではどうにもならない「構造的な限界」が浮かび上がってくる。本稿は、中小企業を支える「一人情シス」の崩壊リスクと、離職の引き金となる「3つの欠乏」を解説する。

「一人情シス」が招く組織崩壊の予兆

 本調査は2025年7月23日、中小企業に勤務する情シス担当者102人を対象にインターネットで実施された。

 調査結果の詳細を見ると、中小企業におけるIT人材不足の深刻さが際立つ。情シス業務を担当する人数について、55%が「1人」と回答しており、組織として対処が困難な状況が常態化している。この人材の枯渇は長時間労働に直結している。月当たりの平均残業時間は「31時間以上」が33%で最多となり、次いで「1〜10時間」(26%)、「11〜20時間」(21%)となった。

 評価されているのに辞めたくなる――この矛盾を解く鍵は、中小企業の情シス担当者が直面している「3つの欠乏」にある。

意欲と現実のギャップを生む「3つの欠乏」

 調査では、情シス担当者が抱える悩み(3つまで選択可)として、以下の3点が上位を占めた 。これらは相互に関連し、負のループを形成している。

  1. 業務過多(53%)
    • PCのキッティングやヘルプデスクといった日常的な業務に加え、障害対応などの突発業務が1人に集中し、戦略的な業務に手が回らない。
  2. 知識不足(48%)
    • 技術の進化に追い付きたいが、日々の業務に追われて学習時間を確保できない。
  3. 予算不足(37%)
    • 効率化ツールの導入や外部委託ができず、マンパワーでカバーせざるを得ない。

 特に深刻なのが「キャリアパスの欠乏」だ。今後強化したい分野として、回答者の54%が「セキュリティ」、52%が「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進」を挙げるなど、高い意欲を持っている。しかし、自身のキャリアパスについては55%が「ない」「不明確」と回答している。「今の会社で評価されても、市場価値のあるスキルが身に付かない」という焦りが、離職の隠れた主因となっている可能性がある。

 こうした状況に対してウェヌシスは、個人の自助努力だけに頼るのではなく、組織として学習機会を提供することが不可欠だと結論付けている。実務に即した体系的なカリキュラムを通じて、業務効率化のスキルとDX推進に必要な知識の両輪を習得してもらうことが、担当者の定着と企業の成長をつなぐ鍵になる。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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