Server Core特集 Part2
ExchangeやSAPもServer Coreのロールになり得る
Windows Server 2008の最小インストールオプションであるServer Coreを3回にわたって解説している。今回はその2回目になる。1回目の記事「Windows Serverプロダクトマネジャーに聞くServer Coreのメリット」は<a href="https://www.itmedia.co.jp/tt/news/0708/03/news01.html">こちら</a>。
Microsoftは、「Server Core」に関して幾つか大きな計画を持っているようだ。Server Coreは「Windows Server 2008」の最小インストール構成を意味する同社の用語である。Windows Serverチームのプロダクトマネジャーを務めるウォード・ラルストン氏によると、Server Coreでは優れたパフォーマンスを期待できるだけでなく、仮想化技術を利用することもできるという。将来的には、Exchange Serverに加え、SAPなどもServer Coreで利用できる可能性もあるようだ。
先日、TechTargetのインタビューに応じたラルストン氏は、Server Coreの将来計画について語るとともに、IISや仮想化、Active Directoryなどのロール(機能)をServer Coreに組み込んだ場合と、フルインストールを行った場合のメリットとデメリットについて説明した。
―― 将来、Server Coreではどんなことを期待できるのですか。
ラルストン 現在われわれは、例えばServer Coreインストール構成にSQL Serverを組み込んだらどうなるだろうか、といったことを検討しています。これを仮想ハードディスク内にパッケージングすることにより、ユーザーが立ち上げて即座に運用できるようにするのです。また、Server CoreとExchange Serverを組み合わせたらどうか、将来的に、ユーザーがServer Coreに独自のロールを作成できるようにするのはどうか、といったことも検討しています。Server CoreにSAPを載せるといったことも考えられます。
―― テスターらの間では、Server Coreにさまざまなロールを組み込むことに対して賛否両論があるようです。Server CoreロールとしてのIIS 7.0のメリットとデメリットは何ですか。
ラルストン デメリットは.NET Frameworkを利用できないことです。つまり、IISを搭載したServer Coreは、静的なWebページ用のサーバや、データベースに書き込むだけのフロントエンド用Webサーバとしては十分な役割を果たすということです。しかしこれまでお話ししてきませんでしたが、今日ではIIS上でPHP(オープンソースのスクリプティング言語)を十分に機能させることができます。われわれはPHP関連の業界デベロッパーとの非常に緊密な共同作業を通じて、当社のCGIによるPHPインプリメンテーションが、今日出回っているほかのPHPインプリメンテーションと同等の機能を実現できるようにしたのです。Server CoreにIIS 7.0を組み込んで運用するケースでは、バックエンドにPHPを置いてIISを実装するという形が一般的になると思います。ですがわれわれは、.NET FrameworkをServer Coreに組み込む計画も進めています。
―― Server Coreでは、あらゆるロールを仮想化できるのですか。
ラルストン できます。これら(9つ)のロールのどれが動作しているServer Coreでも、仮想インスタンス化できない理由はありません。これは当社でいつもやっていることです。
仮想化ロールを当社のDynamic Data Centerと組み合わせれば、非常に魅力的な環境が実現されます。仮想インスタンス化したDNSやDHCPのように非常に小さなワークロードを実行させながら、当社のSystem Centerファミリーに物理/仮想関係を監視させるのです。物理ボックスの利用率が高くなり過ぎたり、仮想インスタンスがさらに多くのリソースを必要とするようになれば、データセンター内で仮想インスタンスをダイナミックに移動することにより、100%のアップタイムを維持しながら、そのホストが必要とするだけのリソースを割り当てることができるのです。
―― Server Coreは、Microsoftの管理製品シリーズであるSystem Centerとどのように連携するのですか。
ラルストン そこで当社の仮想化技術の出番となるのです。Microsoftの製品をコアレベルで理解できるのは、当社のSystem Center製品シリーズだけです。これらの製品はすべてのイベントログを理解し、それに対してどんなアクションを取るべきか判断できるのです。コンピュータが健全であるとは何を意味するのかを理解できるだけでなく、仮想化されるというのは何を意味し、仮想化されたロールをホストが実行するというのは何を意味するのかを理解することもできるのです。また、作成されたルールに基づいて、これらの仮想マシンをどのように移動すればいいかも理解しています。
仮想化と管理は切り離して考えることはできません。何百あるいは何千ものワークロードを仮想化しようとする企業にとっては、これらの仮想インスタンスを管理するためのターンキーソリューションが必須となるでしょう。
―― 仮想化に関して言えば、フルインストール構成では可能でも、Server Coreではできないというものはありますか。
ラルストン Server Coreインストール構成とWindows Server 2008のフルインストール構成――どちらも仮想化ロールを実行しているとします――を比較した場合、Server Coreインストールオプションの方が優れたパフォーマンスを得ることができます。フルインストール版に含まれるGUIや.NET Frameworkによる追加オーバーヘッドがないからです。正確なデータがあるわけではありませんが、パフォーマンス面でメリットがあるのは間違いありません。
―― Active DirectoryはServer Coreでもフルインストール版と同じように機能するのですか。
ラルストン はい。GUIが利用できないだけで、後はすべて同じです。Server Coreに関して重要なポイントは、TCP/IP、ファイルシステム、グループ ポリシー、Remote Differential Compression、DFS名前空間――これらすべてがServer Coreでも利用できるということです。そぎ落としたのは余分な機能だけです。それがServer Coreの最大の魅力と言えるでしょう。
TechTargetジャパンへのご登録はお済みですか?
**「TechTargetジャパン」メンバーシップのご案内**
会員登録を行うことで、300点以上の技術資料がそろったホワイトペーパーや興味・関心分野ごとに情報を配信するメールマガジン、ITmediaや@ITの特集記事がPDFでまとまって読める電子ブックレットなど、各種サービスを無料で利用できます。**会員登録(無料)はこちらから**
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] これからのデータインフラに必要な要素とは? 将来を見据えたインフラの在り方 -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 中堅・中小企業が標的に ランサムウェアやサプライチェーン攻撃にどう備える? -
事例
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 手ごろな価格で高品質 中小企業向け「SOCサービス」に対する導入企業の声は? -
市場調査・トレンド
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 急増する高度なフィッシング詐欺 先回りしてブロックするには何が必要? -
製品資料
[NTTドコモビジネス株式会社] Windows 11への移行で運用費が増加? 3つの視点で防ぐ「隠れコスト」
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
4
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
5
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
6
ファイル探しに週1時間以上が5割弱 ファイルサーバでは消えない「最新版迷子」
-
7
「恥を知るべきだ」 AIデータセンター反対運動を招いた事業者の秘密主義
-
8
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
9
「レガシーシステム・老朽化システムの運用課題と刷新」に関するアンケート
-
10
SAP移行の改修工数を最大87%削減 AWSのAIエージェント実験で分かった限界
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
4
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
10
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー