Case Study
米コナミ、SAP採用により8週間でゲーム直販サイト開設
米コナミは昨年の年末商戦に合わせ、SAPベースのゲーム直販サイトを開設した。50万ドルに満たないコストで短期間に構築したが、大きな問題もなく稼働している。その成功の秘密は?
これまでと違う販売・マーケティング手法で顧客にアプローチするため、顧客に直接ゲームを販売するサイトを設けた米コナミ。
このプロジェクトは、同社がゲームのさまざまな提供方法を試すための基盤作りでもあった。いずれはXbox 360のようなインターネットに直接つなぐことができるゲーム機で、新作タイトルのダウンロードも可能になる。
サイトを立ち上げるにあたり、同社はmySAP CRMのバージョン4.0を利用して、電子商取引機能を既存のSAP R/3 Enterpriseシステムに統合することを決めた。
プロジェクトのコストは50万ドルに満たなかったが、コナミは既存の流通経路を通さずにテレビゲームなどの商品を販売することで、ゲーマーと直接的な関係を築けるようになった……
「ダンスダンスレボリューション」や「CODED ARMS」の最新版を求めるゲーマーは、ゲームメーカーの米コナミデジタルエンタテインメントから直接購入できる。コナミは最近自社製ゲームの直販を開始したところだ。
コナミのテレビゲームタイトルの多くが、同社が年末商戦に合わせて新しく開設したSAPベースのWebサイトでゲーマーに直接販売されている。このサイトは昨年11月にわずか8週間で立ち上げたものだと、コナミのIT担当ディレクター、ダニエル・ラスコウスキー氏は語る。
「われわれはこのサイトを顧客との新たな接点と位置づけている」と同氏。「ウォルマートやターゲットといった大手小売店でテレビゲームを買わない人々をこのサイトでカバーしていきたい」
コナミは同サイトを立ち上げるにあたり、mySAP Customer Relationship Management(CRM)のバージョン4.0を利用して、電子商取引機能を既存のSAP R/3 Enterpriseシステムに統合することを決めた。バックエンドシステムと容易に連携するソフトを使ってプロジェクトを迅速に完了させるようにとの経営陣からの要望があったため、CRMの専門ベンダーの製品を採用するという選択はしなかったと、ラスコウスキー氏は説明する。
コナミは、進化したゲーム機に対応した適切なシステムの整備に取り組んでいる、とラスコウスキー氏は語る。このプロジェクトは、同社がゲームのさまざまな提供方法を試すための基盤作りでもあった。Xbox 360のような進化したゲーム機はインターネットにつなぐことができ、ゲーマーはゲームのアップデートプログラムをダウンロードできるだけでなく、いずれは新作タイトルのダウンロードも可能になる。
「このサイトは売り上げを伸ばす新しい方法であるとともに、われわれがこれまでと違う販売・マーケティング手法で顧客にアプローチする場でもある」と同氏。「また、われわれは従来どおり、優れたゲームの開発とパートナーを通じた販売も推進している」
プロジェクトのコストは50万ドルに満たなかったが、コナミは既存の流通経路を通さずにテレビゲームなどの商品を販売することで、ゲーマーと直接的な関係を築けるようになった。当社は将来的に、商品を核としたコミュニティーとして、サイトを軸にしてゲーマーのネットワークを構築する計画だとラスコウスキー氏は語る。
これまでのところ、新システムでは問題はほとんど発生していない。新しいWebサイトは商品を購入できるようになっているだけでなく、人気テレビゲームの紹介やスクリーンショットも掲載され、ゲームのオフィシャルサイトへのリンクもある。ゲーマーはパッチをダウンロードしたり、ゲームの重要な最新情報を通知するニュースレターの購読を申し込むこともできる。
新サイトはコナミのSAP R/3システムおよびmySAP CRMシステムと連携して注文を処理し、各購入品のトラッキングメカニズムを提供する。例えば、R/3システムの既存の仕組みを利用して、顧客に購入品のトラック番号が提供されている。倉庫業務はアウトソーシングされており、既に同社の小売店サービスの一環として行われているという。
コナミはプロジェクトのコーディネートのためにコンサルティング企業、アイサービスグローブのスリニ・カッタCTO(最高技術責任者)を起用した。同氏はモバイル販売やインターネット販売、CRM分析の分野で十数件のSAP CRMプロジェクトを実施、管理してきた経験がある。コナミのプロジェクトは記録的な短期間で完了し、厳しい納期をクリアしたと同氏は語る。
カッタ氏によると、プロジェクトが成功した一因は、プロジェクト要件を理解したうえで限定し、スコープクリープ(要求項目のなし崩し的な拡大)を回避したことにある。また、社内のパワーユーザーを見つけて、そのノウハウも活用してプロジェクトを迅速に進めたという。
「まず大局観を持ち、それから的を絞って、限られたスコープでプロジェクトを始めるべきだ」と同氏。「ビッグバンアプローチを取るのではなく、機能を実際に確認してから拡張するのが得策だ」
コナミはプロジェクトの第2段階として、新サイトにさらに機能を追加する計画だ。販売・マーケティング部門はインターネット直販の経験をまだあまり蓄積していないが、精力的に現状調査を行っているという。
さらに、アマゾンドットコムなど幾つかのインターネットサイトとの提携準備も進んでいる。また、コナミは自社商品を中心としたゲームコミュニティーの強化に向けたWeb戦略の策定にも取り組んでいる。
(この記事は2006年1月10日に掲載されたものを翻訳しました。)
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