Column
SMBにはSMB向け製品を――大企業の「お下がり」無用
SMB市場は大企業の食べ残しを求めてはいない。ベンダーはそれを肝に銘じるべきだ。
中堅・中小規模企業(SMB)市場は大企業の食べ残しを求めてはいない。ベンダーはそれを肝に銘じるべきだ。
ビジネスITの世界では、SMBは大企業の「お下がり」を与えられる。大企業はベンダーにとって魅力的なお客だ。最先端の製品を金に糸目を付けずに買ってくれるのだから。ベンチャーキャピタリストは大企業流が大好きだ。100万ドルのソフトを売ってぱーっとやろう。だからベンダーもその線で動く。ベンダーは、ベンチャーキャピタルの資金を正当化するために株主利益が最大になるよう会社を育てなければならないのだ。優秀な営業を雇うには人件費が掛かるので、必然的にリス(SMB)よりゾウ(大企業)を狩ろうとする。一攫千金を狙える製品を生み出すために、R&D部門と販売マーケティング部門に資金が湯水のように注ぎ込まれる。それがEMCやオラクル、SAPがやってきたことだ。これらの大手ベンダーは、ゾウを狩りつくすまでリスになど目もくれなかった。だが彼らは今、会社を維持するためにリスを狩ることにした。
中堅・中小規模企業(SMB)市場は大企業の食べ残しを求めてはいない。ベンダーはそれを肝に銘じるべきだ。
ITに関しては、SMBはトーテムポールの一番下のような存在だ。体格のいい悪ガキ(=大企業)にいたずらされるやせっぽちの子供のようなものだ。だが、いじめられ、ないがしろにされると、人はしまいには反乱を起こす。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・J・フォックスを覚えているだろうか。マイケルはあこがれの女の子と結婚し、いじめっ子はうだつの上がらない中古車のセールスマンになった。
皮肉なことに(少なくともIT業界では)、現在技術と資金をほしいままにしている大手ベンダーが、かつてはいじめられる側だった。こうしたベンダーは、いつの日か状況が変わったら大企業に取って代わってやると誓い、それが現実になった。だが成功するうちに、彼ら自身が大企業になってしまった。
ビジネスITの世界では、SMBは大企業の「お下がり」を与えられる。大企業はベンダーにとって魅力的なお客だ。最先端の製品を金に糸目を付けずに買ってくれるのだから。ベンチャーキャピタリストは大企業流が大好きだ。100万ドルのソフトを売ってぱーっとやろう。だからベンダーもその線で動く。ベンダーは、ベンチャーキャピタルの資金を正当化するために株主利益が最大になるよう会社を育てなければならないのだ。優秀な営業を雇うには人件費が掛かるので、必然的にリス(SMB)よりゾウ(大企業)を狩ろうとする。一攫千金を狙える製品を生み出すために、R&D部門と販売マーケティング部門に資金が湯水のように注ぎ込まれる。それがEMCやオラクル、SAPがやってきたことだ。これらの大手ベンダーは、ゾウを狩りつくすまでリスになど目もくれなかった。だが彼らは今、会社を維持するためにリスを狩ることにした。
問題は、リスを捕まえたベンダーが、リスにゾウと同じ野菜を食べさせようとしたことだ。リスは木の実を食べるものだ。「飲み込みなさい」とベンダーはマリー・アントワネットの声音で命令した。「代わりに野菜を食べさせておきなさい」
この業界ではいつも「大企業のお気に召すものなら平民もありがたがるに決まっている」とされている。だがこれには承伏しかねる。革命は目前だ。
SMBは二番手などではない――そればかりか、SMBはベンダーが最優先しなければならない相手だ。SMBの数は大企業の1000倍ある。それに、SMBのデータの必要生産能力は大企業の10倍だ。0から立ち上げられたSMBでは、必要生産能力は大企業より早いペースで増加し続ける。全体的な投資機会はSMBの方が多いし、それになんといっても、SMBの製品はエンタープライズ界で新しいチャンスと金に化けることがあるが、反対のケースはまずない。
SMBも大企業と同じように、データ保護、災害復旧、ストレージネットワーク、仮想化などを必要としている。だが、SMBの要望はさらに踏み込んだものだ。製品はもっと安く買えて、もっと安く実装でき、扱いやすくなければならない。ITをサポートするために金と時間を費やすのが製品購入の目的ではないことを、SMBは理解している。
スペックダウンした大企業向け製品のラベルを張り直すのではなく、SMBにはSMBが望む製品を与えよ。SMBはIT専門の業界に入りたいわけではない――実用的な製品を与えよ。そうすればSMBは製品を使い続けてくれる。ベンダーはSMBを満足させられれば、大企業を変えることになると気付くかもしれない。大企業だって簡単に設置するだけで使えて、安価で、本格的なビジネス上の問題を解決できる製品が欲しくないわけがない。
リス狩り用のビジネスを立ち上げてゾウを捕まえられるなら、こんなうまい話はない。ゾウ狩りビジネスに金をつぎ込んでリスしか捕まえられなかったら悲惨な話だ。
本稿筆者のスティーブ・デュプレッシはエンタープライズストラテジーグループの創立者で同社のシニアアナリスト。
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