Column
オープンソース対SaaS――業務アプリで有効なのはどっちだ
業務アプリケーションを検討しているSMBにとって、低コストで導入可能なSaaSとオープンソースは魅力的な選択肢だ。それぞれの長所と短所を紹介する。
予算は幾らか? 複雑さをどこまで許容するか? オープンソースとSaaS(サービスとしてのソフトウェア)のどちらかを選ぶ際には、この2つをはじめ多くの要素を事前に検討すべきだ。
爆発的に拡大するオープンソース市場は、帳簿管理や顧客管理を自動化するための新しい選択肢を数多くSMBに提供している。また、多くの新興ベンダーが、アプリケーションをホスティングしてインターネット経由で顧客に提供するサービスを提供している。これがSaaSと呼ばれるアーキテクチャだ。
低コストな選択肢が数多く提供されているため、ユーザーにとって、煩雑なインストールやコンフィギュレーションといった一連の作業がつきものの、大規模ソフトの導入にあえて乗り出す理由はほとんどない。だが、オープンソースとSaaSのどちらを選ぶかは、予算と複雑さの許容度によっては難しい判断になる。
選択肢はそれぞれ豊富にある。オープンソースソフトのデータベースであるSourceForge.netでは、ERPやCRMのカテゴリーだけでも、実施中のプロジェクトが250件以上もリストされている。一方、Software-as-a-Service Showplaceは、33のアプリケーションカテゴリーにわたって150件以上のサービスを掲載している。
最適な選択肢は、あなたの会社がどの要素を最も重視するかによって決まる。オープンソースとSaaSそれぞれの長所と短所を紹介しよう。
予算は幾らか? 複雑さをどこまで許容するか? オープンソースとSaaS(サービスとしてのソフトウェア)のどちらかを選ぶ際には、この2つをはじめ多くの要素を事前に検討すべきだ。
業務アプリケーションの導入に意欲的に取り組む中堅・中小企業(SMB)にとって、現在の選択肢はこれまで以上に魅力的だ。
爆発的に拡大するオープンソース市場は、帳簿管理や顧客管理を自動化するための新しい選択肢を数多くSMBに提供している。また、多くの新興ベンダーが、アプリケーションをホスティングしてインターネット経由で顧客に提供するサービスを提供している。これがSaaSと呼ばれるアーキテクチャだ。
低コストな選択肢が数多く提供されているため、ユーザーにとって、煩雑なインストールやコンフィギュレーションといった一連の作業がつきものの、大規模ソフトの導入にあえて乗り出す理由はほとんどない。だが、オープンソースとSaaSのどちらを選ぶかは、予算と複雑さの許容度によっては難しい判断になる。
選択肢はそれぞれ豊富にある。オープンソースソフトのデータベースであるSourceForge.netでは、ERPやCRMのカテゴリーだけでも、実施中のプロジェクトが250件以上もリストされている。一方、Software-as-a-Service Showplaceは、33のアプリケーションカテゴリーにわたって150件以上のサービスを掲載している。
最適な選択肢は、あなたの会社がどの要素を最も重視するかによって決まる。以下では、オープンソースとSaaSそれぞれの長所と短所を紹介しよう。
コスト
小規模に導入する場合や短期間利用する場合には、間違いなくSaaSの方が適している。一部のサービスはユーザー当たり月額10ドルという低料金だ。またSaaSでは、間接費もほとんどまたはまったく掛からないし、切り替えコストも安い。「Microsoft Officeを買うような感覚で導入できる」とAMRリサーチのリサーチディレクター、ロバート・ボイス氏は語る。
だが大規模に、あるいは長期間利用する場合には、料金がかさむ恐れもある。大手のSaaSプロバイダーからアプリケーションを2つレンタルすると、ユーザー当たりの月額料金は200ドルを優に超えるケースがある。あなたの会社が幾つかのアプリケーションを利用したり、20人程度以上のユーザーを抱える場合は、オープンソースの方が安上がりかもしれない。
オープンソースを検討する際には、コストをトータルに考えなければならない。オープンソースの導入にあたっては、サーバやその安全な設置場所のほか、場合によってはソフトウェアライセンスも必要だ。そしてもっと重要なのは、スタッフが必要になることだ。専門家は、システム管理のために少なくとも0.5人分の人件費を、カスタムプログラミング作業が大量に発生する予定の場合にはそれ以上の人件費を、予算に組み込むことを勧めている。こうした業務に対応できるスタッフに支払う給与は、一般に年間6万ドル台からだ。だが、スタッフを雇ったとしても、彼らが個々の分野で習熟を深め、提供できる専門性には限りがある。
「CRMに精通している有能な企業IT担当者は、大抵はCRMの導入プロジェクトを2~3回経験している人々だろう」とライトナウテクノロジーズのグレッグ・ジャイアンフォートCEOは語る。同社はオープンソースとSaaSの両方の製品を販売している。「だが、われわれは3000件の導入プロジェクトを手掛けてきた。われわれがその中で培ってきたような専門性を、企業のIT部門が独自に蓄積することはできない」
結局のところ、オープンソースの方が安くつくのは、長期にわたって利用する場合に限られるかもしれない。
導入のスピード
導入のスピードに関しては、SaaSが圧倒的に優れている。多くのサービスは数日で使い始めることができる。これは、サービスを試してみて、結果によっては後でプロバイダーを変えようと考えている場合は特に魅力的な点だ。またSaaSでは、新しいリリースに速やかに移行できる。プロバイダー側で、すぺての顧客向けにソフトが一度にアップグレードされるためだ。
一部のオープンソースプロバイダーは自社製品をサービスとしても提供している。例えば、ライトナウテクノロジーズとシュガーCRMがそうだ。この場合、ソフトをまずサービスとして使って、後でパッケージ版に移行して自社でインストール、運用するという選択も可能だ。
カスタマイズ
従来、カスタマイズ性はホスティングサービスの弱点だったが、それは変わりつつある。現在、大手のSaaSベンダーのほとんどはカスタマイズツールを提供している。ただし、その機能は千差万別だ。また、一部のツールは、使用するにはプロプライエタリなプログラミング言語を習得する必要があり、これは熟練スタッフを探す際にネックになる。
「カスタマイズは、もうSaaSにおける大きな問題ではない」とシンクストラテジーズのマネージングディレクター、ジェフ・カプラン氏は語る。さらに同氏は、多くのプロバイダーは開発ツールに加えて、専門的サービスや、コストの抑制に役立つプログラミング業務のオフショアリングサービスも用意していると付け加える。
一方、オープンソースは自由自在にカスタマイズできる。ほとんどのアプリケーションは広く普及したスクリプト言語やプログラミング言語をサポートしている。機能拡張プログラムも豊富に提供されており、その中から選んで使うことができる。例えば、SugarForge.netでは、オープンソースソフトのSugarCRMを拡張できる800近くのコードモジュールが掲載されている。
ただし、注意しなければならないのは、ライセンス条件によっては、拡張を行った場合、必ずその拡張部分を一般に配布しなければならないことだ。オープンソースライセンスは何十種類もあるため、ライセンス条件は注意深くチェックする必要がある。
信頼性
SaaS市場のリーダーであるセールスフォース・ドットコムは最近、相次いでサービス停止が発生して非難を浴びたが、実のところ、SaaSはかなり信頼できる。大手ベンダーはいずれも堅牢な設備を使っており、その大部分は予備電源を備え、頻繁にバックアップが行われている。だが、規模で劣るベンダーはこうした細部の取り組みが少し甘い場合があるため、専門家は、質問して確認することを勧めている。パフォーマンスの保証を求めるのもいい手だ。例えば、インテリウムは、アップタイムが99.7%に達しなかった場合には払戻金を支払っている。
信頼性の高いデータセンターの二重化を実施するには、多大なコストが掛かる。あなたの会社がまだそうしたインフラの運用を行っていないのであれば、SaaSを利用するのが得策だろう。
データの持ち方
オープンソースのアピール点の1つは、データを常に管理下に置けることだ。SaaSプロバイダーは、顧客のデータは決して危険にさらされず、専門的にバックアップされ、安全が確保されると盛んに宣伝している。だがこうした宣伝文句は、データを他者の手に預けない方針の組織にとっては、しょせん空疎に響く。データを社内に持つことが重要なら、オープンソースを選ぶべきだ。
ベンダーの存続可能性
専門家は、近いうちにSaaS業界で再編が起きて一部のベンダーが破たんし、その顧客は、保守もアップグレードも望めないアプリケーションとともに取り残されたり、データにアクセスできなくなってしまうだろうと予測している。「SaaSプロバイダー同士が合併するとは限らないからだ」とシンクストラテジーズのカプラン氏は語る。
こうしたリスクは、小規模なプロバイダーと取引する場合の方が常に大きい。規模が大きい企業の方が、買収されて顧客が引き続きサポートを受けたり、別のプラットフォームに継承される可能性が高い。
製品が安定して提供されることをあなたの会社が重視するなら、少なくともメジャーな製品について言えば、オープンソースの方が望ましいだろう。「ソフトを買った後で提供元が倒産したとしても、ソフトは存続するからだ」とAMRのボイス氏は語る。ただし、注意すべきは、オープンソースの世界では、十分な普及には至らず、ユーザーから見放されてしまったニッチ製品が山ほどあることだ。どの市場でも、必ずメジャーな製品を選ぶことが最大の安全策になる。
本稿筆者のポール・ギリン氏は技術ライター兼コンサルタントで、TechTargetの元編集人。同氏のWebサイトは、www.gillin.com。
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