Case Study
NASAの機密データを守るNASアプライアンス
米国政府やNASAの機密データを扱う航空宇宙企業EADSアストリウムでは、他社からの訪問者もアクセスするネットワーク上のデータを管理するため、NASアプライアンスを試験導入した。
航空宇宙業界は厳しい規制下に置かれている。米国政府やNASA(米航空宇宙局)の仕事をすることは、さまざまなチェックと管理を受けるということだ。
EADSアストリウム・ノースアメリカは、このことを熟知している。同社のネットワークには、誰でもアクセスできるわけではない、そしてアクセスできてはならない機密データが保存されている。だが、同社のネットワークにはゲストや契約業者、他社からの訪問者もアクセスするだけに、厳密な管理が要求される。
「われわれはネットワーク上のデータを、アクセス権を持っていない人々から守らなければならない」と同社の業務管理担当ディレクター、ジョージ・オウォク氏は語る。
EADSアストリウム(欧州の航空宇宙企業であるEADSの子会社)は最近、ロックダウンネットワークスのNAC(Network Access Control)アプライアンス「Enforcer」を試験導入した。
このスタンドアロンマシンは、柔軟なパラメータセットに基づいてネットワークアクセスを制御すると、オウォク氏は語る。ポート位置や、インストールされているソフトウェア、アプリケーション、重要な更新プログラム、パッチなどに基づいて、このマシンはアクセスを許可または拒否することができる。だが、Enforcerの特に大きなメリットは、Active Directory上のID(ユーザー識別情報)に応じて、アクセスの許可や拒否ができることだ。
例えば、ネットワーク上の機密エリアでは、IDに基づいて、特定のユーザーグループだけがサブネットに入れるようになっていると、オウォク氏は語る。このエリア内のデータをやりとりしたり、見たりするためには、ユーザーは許可を得ていなければならない。所定の要件に従って許可を与えなければならないことから、われわれはEnforcerの導入に乗り出したと、同氏は説明する。
「基本的に、このNACソリューションは誰かが刑務所送りになるのを防いでくれている」と同氏は(冗談交じりに)語り、こう付け加える。誰にでもそうした許可を与えてしまえば、「われわれは将来、そうした許可が必要なデータを扱うこと自体を、当局から認可されなくなってしまうだろう」。
オウォク氏によると、ほかのユーザーが本人認証を経てネットワークを利用する場合は、別個のVLANに接続される。ゲストや訪問者は皆、別のVLANに振り分けられるが、このVLANはホテルのネットワークに似たもので、彼らはインターネットにはアクセスできるが、ほかのアプリケーションにはアクセスできない。
「われわれはVLANを組み合わせて利用することで、こうしたさまざまなユーザーのアクセスを制御している」とオウォク氏。「Enforcerは機能的にシスコのNACと非常に似ており、われわれにワンストップソリューションを提供してくれる」
Enforcerを試験導入する前は、EADSアストリウムはロックダウンの「Auditor」を利用していたと、オウォク氏は語る。だが、AuditorにはActive Directoryとの連携機能がなかったという。当時は、ゲストがネットワークにアクセスしたいと考えた場合には、オウォク氏が許可しなければならなかった。
「わたしがその場にいなかったら、彼らはお手上げになってしまう」と同氏。「だが今では、人手は要らないようになっている。わたしがその場でケアする必要はない」
ローカルユーザーにはEnforcerの存在は意識されないが、このNACソリューションは、彼らの本人認証時に機能を果たしていると、オウォク氏は説明する。またEnforcerは、ゲストや訪問者を、ホテルで使われているようなネットワークに接続する処理も自動的に行っている。EnforcerはIDを基準にして判断を行うため、ユーザーがどのポートに接続しようとする場合でも、適切なアクセス制御ができる。
「このようにして、Enforcerは完全に自動的に動作する」と同氏。「わたしは誰がどこに接続するかを気にせずに済んでいる」
EADSアストリウムはEnforcerの使用経験から、ロックダウンが近く投入する「iNAC(intelligent NAC)」も試したいと考えている。iNACは、ユーザーのマシンに設定の不備があったり、パッチやウイルス対策ソフトが導入されていなかった場合、ユーザーのネットワークアクセスを遮断する代わりに、マシンを強制的に更新すると、オウォク氏は語る。
「ユーザーを締め出すのではなく、アップデートを強制できる」(同氏)
ロックダウンによると、iNACはエンテラシスのセキュリティアプライアンス「Dragon」および「Sentinel」や、パッチリンクの「Patchlink」と連携することができる。オウォク氏は、iNACを購入して導入したら、Patchlinkと連携させようと考えているという。
ロックダウンのマーケティング担当副社長、ダン・クラーク氏によると、Enforcerも、サードパーティー製品と連携させることで、さらに高度なセキュリティを提供し、各種アプライアンス間のさまざまな双方向通信を自動化する。
ロックダウンは、Enforcerとエンテラシス、IBM、インテル、マイクロソフトのソリューションとの連携を確保する計画だが、EnforcerとPatchlinkの組み合わせにより、NACシステムのチェックをさらに強化できるとクラーク氏は語る。
Patchlinkと連携する場合、Enforcerは、パッチが未適用なデバイスを隔離した後でPatchlinkにパッチを要求し、Patchlinkがこのデバイスを自動的に更新する。更新されたデバイスは、再びネットワークに接続される。
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