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IBMのSOAアプライアンスが爆発的に売れている理由
IBMの「WebSphere DataPower SOA Appliance」は、SOA導入に際し、ソフトウェアの問題をハードウェアアプライアンスで解決するという手法を採用している。
コンピュータ業界では、あらゆる買収が売り手と買い手の思惑通りにいくわけではないが、IBMによるデータパワーのXMLハードウェアアクセラレータ(現在のブランド名は「WebSphere DataPower SOA Appliance」)の買収は両社の思惑に合致したらしく、2005年第3会計四半期に40社の新規顧客を獲得した。
「DataPowerの開発、販売およびマーケティングの担当スタッフは、同製品がIBMのグローバルなSOA構想の一部となって以来、2倍に増員された」――そう語るのは、データパワーの共同創業者で同社の元CTO(最高技術責任者)、現在はIBMのSOAアプライアンス担当ディレクターを務めるユージーン・クズネツォフ氏である。ビッグブルーの資金力とグローバルな販売/マーケティング部隊を得たことで、売り上げが大幅に増加したという。マサチューセッツ州ケンブリッジを本拠とする新興企業だったころも、データパワーの製品は好調な売れ行きを示していたが、この1年間の成功は、小さなニッチベンダーでは考えられないことだった、と同氏は語る。
これは、オリジナルのDataPower技術の開発者であるクズネツォフ氏の自慢話のように聞こえるかもしれないが、ザップシンクのシニアアナリストのロン・シュメルツァー氏によると、このサクセスストーリーは誇大宣伝ではなく、新たな名前を与えられたこのIBM製品は実際、「爆発的に売れている」という。
「DataPowerアプライアンスは、総合的なWebSphere製品シリーズにぴったりフィットする」とシュメルツァー氏は話す。「これらのアプライアンスは、単にマシンやアプリケーションサーバを増やすだけでは問題を解決できないような環境において、XMLや各種のSOA関連技術の操作にまつわる個別問題に対処することを狙った製品だ。DataPowerがハードウェアグループではなく、WebSphereシリーズに含められているのもそのためだ。要するに、ハードウェアのフォームファクターでありながら、ソフトウェアの問題を解決するという製品なのだ。IBMではこの製品の用途を多数見いだしており、爆発的な売れ行きを記録している」。
同製品の成功は、ベンダー各社のアプライアンスがSOA導入に際して果たす役割を浮き彫りにする格好になった。
「一般に、多くのハードウェアベンダーがDataPowerと同じアプローチ、つまりハードウェアアプライアンスでソフトウェアの問題を解決するという手法を採用している。このため、この分野は全体的に成熟しつつある」とシュメルツァー氏は話す。「この市場のベンダーの多くは、顧客の成熟化を感じ取っている。コンセプト実証といった形での購入が減る一方で、本業務用のリアルタイムシステムとして購入する顧客が増えている」。
IBMによる昨年のデータパワーの買収は、今年のSOA業界を特徴付ける盛んな買収合戦の先駆けとも言えるもので、シュメルツァー氏は、今後さらにSOAアプライアンスの成熟化が進むとともに、2007年も買収ブームが続くとみている。
「この市場はさらに成熟するものと予想される。そして向こう1年くらいにわたり、業界再編がさらに進む可能性がある」と同氏は話す。
クズネツォフ氏は詳細を明らかにしていないが、2007年にもWebSphere DataPower SOA Applianceシリーズで重要な新製品発表があるという。
XACMLのサポートを追加
クズネツォフ氏は、データパワーの買収以来、IBMがExtensible Access Control Markup Language(XACML)をはじめとする新しいWebサービス標準をアプライアンスに組み込むために行った作業について話してくれた。
同氏はこのOASIS標準について、「XACMLのサポートは非常に重要である」と語る。これは、ポリシー適用における大きな前進だという。ポリシー適用の作業は従来、SOAインプリメンテーションに統合するのが難しい独自のコーディングによって処理されてきた、と同氏は話す。
「XACMLは、承認ポリシーおよびきめ細かなアクセスコントロールポリシーを詳細に表現する手段である」と同氏は説明する。「これは極めて強力な標準であり、IBMポートフォリオの多数の製品に組み込まれる予定だ。XACMLと当社のTivoli製品を組み合わせてアプライアンスに統合することにより、ネットワークアプライアンスなどインフラのさまざまな個所に、非常に粒度の高いポリシーを適用することが可能になる」と同氏は説明する。
クズネツォフ氏によると、非常に基本的なトランザクション処理アプリケーションにおいても標準が重要だという。
「例えば、5万ドルを超える購入注文は、CFO(最高財務責任者)がデジタル署名をしなければネットワーク外部に送出できないというポリシーを設定したいという場合もあるだろう。コンプライアンスが叫ばれている今日、こういったポリシーが重要になるケースは容易に想像できる。XACMLポリシーを利用すれば、どんなケースにポリシーを適用するか、ポリシーが適用されるメッセージの種類、許可されるアクセスのタイプに応じてどのポリシーを適用するか、システムを出入りすることが許可されるメッセージの種類といったことをXMLファイルで指定するだけでよいのだ」(同氏)
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