Column
SOAへのBIの統合は新潮流となるか
BIはSOAに重要な付加価値を提供する可能性があるが、「粒度の細かい情報に基づいて自動分析を行う機能」を提供する必要がある。
企業のIT部門の間でサービス指向アーキテクチャ(SOA)に関する技術的ノウハウの蓄積が進む中、ベンダーは、ビジネスインテリジェンス(BI)のような付加価値機能をSOAに統合するというビジョンを盛んにアピールしている。
結局のところ、Webサービスの技術的パフォーマンスを監視することと、Webサービスがもたらす財務的パフォーマンスやビジネスチャンスを把握することは、まったくの別問題だ。そこにBIの出番がある。ベンダーはBIを、基本的に、SOAを効果的にビジネスに活用するためのツールと位置づけている。
「従来、BIは、人間の要求に応じて、重要な可能性がある情報を提供することが主眼だった」とIBMのDB2およびBI製品開発担当ディレクター、ダン・スターマン氏は語る。「サービス指向アーキテクチャは、BIに次の大きな飛躍の契機をもたらす。今後はさまざまなサービスが情報を必要とするようになり、人間だけでなく、コンピュータも情報を要求するようになるだろう。BIはそれに応えなければならない」
さらにスターマン氏は、開発者からアーキテクト、ITマネジャー、ビジネスアナリスト、経営幹部まであらゆる人が、会社で使われるWebサービスについて何らかのビジネスパフォーマンスデータを必要とするようになるだろうと付け加える。
「サービスを調整するために、より精密な情報が必要になる」と同氏。「SOA環境で何が起こっているかを理解し、対応するのに役立つ精密な情報を集めなければならない。BIソリューションはそうした情報を提供する必要がある」
シーホワイソフトウェアのチャールズ・ニコルズCEOは、BIはSOAに重要な付加価値を提供する可能性があるが、BIがSOAにおける当面のニーズに応えるには、機能的に変化しなければならないと語る。
「例えば、データを大きなバッチで一括送信するのではなく、ストリームで送信する必要がある」と同氏。「データは古くなると使いものにならないからだ。SOAは、BIに大きな変化を迫る市場要因だ」
ニコルズ氏はスターマン氏と同様に、BIソリューションは、「粒度の細かい情報に基づいて自動分析を行う機能」を提供する必要があると語る。同氏は、従来のBIソリューションの大量データ分析のアプローチは、こうした新しい機能へのニーズに対応できず、時代遅れになっていると考えている。
「膨大なデータを集めて分析するこれまでのやり方には、多くの問題がある」と同氏。「今求められているのは、新しいBI機能をビジネス・プロセスに組み込むことだ。この機能を利用して、イベントに応じて適切なプロセスが開始される仕組みを作るわけだ」
アイウェイソフトウェアのジョン・セノー社長も、「BI機能は、ほかのサービスと連携したり、ほかのサービスの内部で機能したりするサービスとして作成され、利用されるようにならなければならない」と考えている。同氏は、SOAベースのBIサービスによって実現できる社内向けサービスの中で、ユーザーの支持が集まると考えられるものの1つとして、自動リポートサービスを挙げている。
「このサービスは、高度なイベントドリブンのデータ同期機能を提供できる」と同氏。
当然ながら、こうしたサービスを開発するには、的確に設計を行う必要がある。
「トランザクションの流れ全体について可視化を可能にしなければならない」とニコルズ氏。
スターマン氏は、そうした可視化をリレーショナルデータベースに頼ることなく実現するには、XMLをメインのデータ形式として利用することが重要だと語る。
「データは、処理された段階ですぐに取得しなければならない」と同氏。「XML形式のデータを一括してまとめて扱うと、データ保存につきまとう問題になおさら苦労することになる。これは周知の事実だ。XMLデータは、リアルタイムかリアルタイムに近いタイミングでサービスによって取得、理解されるようにしなければならない」
明らかに、こうしたデータの粒度を実現しているユーザー企業はほとんどない。しかし、今後は、SOAプロジェクトの真のROIを測定し、非技術系の経営陣が最も必要とするデータを提供するには、こうした粒度が極めて重要になる可能性があるとされている。
「そもそもなぜITを利用するのか」とニコルズ氏は問いかける。「単にコストを削減するためか、それとも、競争優位を確立するためか。積極果敢な企業は間違いなく、競争優位の観点からITをとらえている」
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