管理者の負担を軽減
人手不足を補うネットワーク管理自動化製品
ネットワーク管理自動化製品はアウトソーシングの代替として利用でき、人材不足を補ってくれるかもしれない。自動化のメリットと具体的な製品を紹介する。
ネットワークの複雑化が進む一方、ネットワーク管理者の人員不足は深刻化している。現行のネットワークを構築し、その構造を理解していた経験豊富な団塊世代は引退し始めている。その穴を埋める新規採用者の育成と確保は、困難になるばかりだ。
このジレンマに加え、サーベンス・オクスリー法(SOX法)、Payment Card Industry (PCI)、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令(HIPAA法)など、情報が限られた関係者にしか利用できないようにするための書面作成を定めた法令規制ものしかかっている。一連の手順に加え、定められた手順に従っていることを記録する信頼できる手段も必要だ。
ネットワーク管理のアウトソーシングも1つの手だ。しかし、アウトソース先の優先順位が必ずしもこちらの期待と一致せず、必要なときに適切なリソースが利用できないというリスクはある。
もう1つの解決策となるのがネットワーク管理の自動化だ。ネットワーク自動化ソフトでは次のようなことができる。
- ネットワークを年中無休で監視し、人間よりも効率がよい
- デバイスとネットワークの接続問題をチェックして自動で対応するので、人為ミスのリスクがない
- デバイスの設定を把握し、不正にまたは誤って変更された場合は知らせてくれる
- ネットワーク関連のイベントと対応状況すべてについて、完全かつ信頼できる記録を生成する
- 定められた時間ごとにトラフィックのレベルを計測し、アップグレードが必要な接続やデバイスを予想する報告書を作成する
ベンダー選び
ネットワーク管理ベンダーは問題を理解している。Cisco Systems、Opsware、Visionael、Uplogixなど、大手から中小までベンダー各社がソリューションを提供している。
Cisco Systemsは既存のソフト製品数種類を強化し、新コンポーネントを追加して「Cisco Proactive Automation of Change Execution」(PACE)という製品を作った。管理者権限でコントロールすることにより、オプション設定、変更適用前に不一致を検出するための確認、コンプライアンス準拠のためのリポート作成、ネットワークに接続された無許可デバイスの検出、問題発見のためのネットワーク監視といった機能を利用できる。
最近Hewlett-Packard(HP)に買収されたOpswareは、3Com、Cisco、Juniper、Nortelといったネットワークベンダーのデバイスを自動で管理する製品を提供している。デバイスの監視・設定に使われるコマンドシーケンスはベンダーごとに異なる。Opsware製品を使えば、自動スクリプトを作成してマルチベンダーネットワーク全体でコマンドオペレーションを実行した後、そのコマンドスクリプトをベンダーごとのコマンドに翻訳して各デバイスに対応させることができる。
サービスプロバイダー向け製品を手掛けるVisionaelなどの小規模ベンダーは、特定分野の顧客ニーズに特化している。顧客の注文を聞いて新サービスを提供する作業は、手作業でやると相当の経費が掛かる。Visionaelの「Service Automation Suite」は、サービスプロバイダーのOSS/BSSソフトと連携してこのプロセスを自動化する。
Visionaelの製品は、ネットワークインフラのデータベースを作成し、それぞれの顧客へのサービス提供のためにどの接続とデバイスが使われているかをサービスプロバイダーが把握できるようにする。その目的は以下にある。
- ネットワーク障害が発生した場合、影響を受ける顧客への連絡
- 料金表の作成と、各顧客へのサービス提供に掛かる実際のコスト計算
ほとんどのネットワーク管理業務では、ネットワーク経由でデバイスとの通信が可能だが、ネットワーク自体がダウンした場合はどうするのか。Uplogix Envoyのアプライアンスは、同社のコンソールポート経由でデバイスに接続し、中央のアプライアンスでリモートのアプリケーションをコントロールする。ネットワークの稼働中はアプリケーション間の通信にはネットワークを利用する。ネットワークがダウンしたら、ダイヤルアップモデム、携帯電話ネットワーク、衛星通信経由で通信する。
Envoyのアプライアンスは接続されたデバイスごとに直近の設定のコピーを取っておく。設定の変更に失敗したら、アプライアンスがそのデバイスの電源を切り、コピーしておいた設定を使って再起動する。アプライアンスにはバッテリーのバックアップも含まれるので、ネットワーク機器への電力供給が絶たれてもアプライアンスは稼働し続ける。電力が復旧すると、ネットワーク担当者が定めた順序に従って、アプライアンスからデバイスに電源を供給できる。
コストを気にしながら大規模ネットワークを管理し、新技術を導入し、コンプライアンスを順守し、ソフトウェアのリリースとパッチを継続的に適用するのは容易ではない。
自動化製品の手順を定め、自動では解決できない問題に対処し、今後のネットワーク拡張を計画するために、経験と知識豊富な担当者は必要だ。しかし、新しい自動化製品は正しい方向への第一歩だ。反復業務の負担を減らして特定の問題に対処し、担当者の荷を軽くする助けとなる。
本稿筆者のデビッド・B・ジェイコブズ氏はJacobs Groupを経営し、ネットワーキング業界で20年以上の経験を持つ。フォーチュン500企業や新興ソフトウェア企業を顧客として、最先端のソフトウェア開発プロジェクト管理やコンサルティングを手掛けてきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー