仮想環境の安定化を実現する
Hyper-VクラスタにおけるVMの状態同期と構成ファイルの問題
「VMの状態が同期されない」「VM構成ファイルのリンクが切れる」という2つの問題に関する回避策を紹介する。
Hyper-Vクラスタで発生しがちな2つの問題を取り上げ、その回避策を紹介しよう。この回避策は、わたしが管理している仮想環境の全体的な安定性の維持に役立っている。
問題1:VMの状態が同期されない
最近、HPバーチャルコネクトのファームウェアで問題が起こった。パブリックおよびプライベートNIC(ネットワークインタフェースカード)が長時間停止し、そのためにノードがクラスタ内のほかのホストの障害を検知した。その結果、仮想マシン(VM)が代替ノードで再起動を試みた。
このとき、場合によってはMicrosoft管理コンソールのスナップインである「フェールオーバー クラスター マネージャー」がVMの状態を「保存中」または「開始中」と表示した。「Hyper-Vマネージャ」はこれらのVMを「保存済み」または「実行中」として表示したが、この情報がフェールオーバー クラスター マネージャーに反映されなかった。
以下の3つの回避策により、VMの正しい状態をクラスタで同期できる。
- Hyper-Vマネージャで、保存された状態のVMを再開/開始する。次に、Hyper-VマネージャでVMを手動で保存する。こうすれば大抵の場合、クラスタでVMの状態が正しく表示されるようになる。
- 2つ目の回避策も似ている。Hyper-Vマネージャで、保存された状態のVMを手動で開始する代わりにシャットダウンする。こうすることで、フェールオーバー クラスター マネージャーでVMがハング状態から回復することが時々ある。
- 3つ目の選択肢はもっと複雑だ。Microsoft TechNetのあるフォーラムでは、Sysinternals Process Monitorを使って、トラブルが発生したVMに関連するVMWP.exeプロセスを特定するよう勧めている。このプロセスを強制終了すると、VMはクラッシュし、別のクラスタノードで再起動する。これによってフェールオーバー クラスター マネージャーでVMの状態が同期される。これはベストな選択肢ではないが、時には力業が必要なこともある。それに、ノード上のすべてのVMに影響するほかのクラスタサービスを強制終了するよりはましだ。
注:わたしがHyper-Vマネージャを使うのは、上記の問題が起きたVMについてはフェールオーバー クラスター マネージャーと仮想化環境を統合管理する「システムセンター バーチャル マシン マネージャ」がうまく機能しないからだ。Hyper-Vマネージャは反応が良く、VMの状態を正しく表示する。
問題2:VM構成ファイルのリンク切れ
VMの予想外のフェイルオーバーが発生したら、Hyper-V仮想クラスタ環境が最高レベルの稼働効率を回復するように、手動で幾つかのクリーンアップ作業を行わなければならない。
その作業の1つとして、C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V\Virtual Machinesにある構成ファイルの削除が挙げられる。これらのリンクファイルは、Hyper-VにVMのXML構成ファイルの位置を示すものだ。
計画された、あるいは管理されたフェイルオーバーでは、このリンクファイルはVMがほかのノードに移動した後で削除される。しかし、予想外の障害が発生した場合は、障害ノードのVMのリンクファイルがリンク切れになってしまう。この無効な構成ファイルはシステムにほとんど影響しないが、わたしは、障害が起きたVMがクイックマイグレーションで以前のノードに戻ったときにトラブルが発生するケースを見たことがある。だが、リンクが無効なVM構成ファイルで一番困るのは、下図のように、イベントログで4096エラーが延々と表示されてしまうことだ。
こうしたイベントログのエラーは削除する必要があるファイルを直接示す。この例ではハードウェア構成のGUIDが表示されている。この場所に、エラーメッセージ内のGUIDと同じGUIDを持つリンクファイルがあることになる。この無効なVMリンクファイルを削除すれば、イベントログのエラーは解決される。
しかし注意が必要だ。アクティブなリンクファイルを削除すると、VMが停止するかクラッシュしてしまい、そのVMをクラスタに追加し直さなければならなくなる。
無効なVMリンクファイルの削除後は、エラーメッセージが表示されなくなり、VMのフェイルオーバープロセスが非常に安定する。
本稿筆者のロブ・マクシンスキー氏は、米ダートマス・ヒッチコック医療センターのシニアシステムエンジニア。IT業界で12年以上の経験を持ち、2004年からサーバ仮想化に力を入れて取り組んできた。Hyper-VとSystem Center Virtual Machine Manager 2008の早期導入ユーザーとして、さらに顧客照会先として、Microsoftと近い関係にある。また、VirtuallyAware.comでブログを運営し、さまざまな仮想化製品の使い方のコツや使用体験を記事にしている。
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