激おこユーザー対策にも有効
「自社製品の評判を監視しないのはリスク」――重要性を増すセンチメント分析
ソーシャルメディアで交わされるやりとりが、企業のブランドイメージを左右する時代になった。ソーシャルメディア上の「ユーザーの声」に無関心では済まされない。
ハサン・サイード氏のような存在は、あらゆる企業にとって最悪の頭痛の種だ(訳注)。提供された製品またはサービスに不満があれば、苦情を言う。その苦情への対応の仕方が気に食わなければ、さらに次の手を打つ覚悟ができている。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は、2013年前半にその影響を思い知ることになった。
訳注:本誌「11月20日号:セキュリティ担当者を悩ます2つの敵」のDOWNTIME通信でサイード氏の一件を詳しく紹介している。
Computer Weekly日本語版 2013年12月4日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年12月4日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
BAがサイード氏の父親の荷物を紛失したが、同社のカスタマーサービス部門は十分な対応をしなかった。それにいら立ちを募らせたサイード氏は、他の数千のコンシューマーにならい、ソーシャルメディアを使って怒りをぶちまけた。
BAが、マーケターにとってもカスタマーサービス部門にとっても救いの手となる最新のソフトウェアに投資をしてさえいれば、と悔やまれる。Facebook、Twitter、YouTube、LinkedIn、ブログ、その他のオンラインコミュニティーで数百万件の会話が交わされている中で、企業が物理的に、自社のサービスや製品についての評判を漏らさず把握することはほぼ不可能だ。
しかし、米Thomson Reuters、米IBM、米Xeroxなどの企業は巨額を投じ、コメントのセンチメント(感情)を正確に特定することで問題がエスカレートする前に企業が潜在的な問題を把握できる、ソーシャルメディアのセンチメント分析ソフトウェアの開発に取り組んでいる。
ニューヨークにあるXeroxのリサーチセンターでデータ分析研究所長のトン・ソン氏によると、このようなプラットフォームで極めて重要な性質は「自動化」だという。
「ツイートの文脈の評価や投稿元の特定に人間が介入する必要があると、ペースが遅くなり、全体的な価値や(処理できる)ソーシャルメディアデータが少なくなる。この研究所では現在、コンピュータが面倒な解析を全て処理するプラットフォームのパイロット運用を実施している」とソン氏は語る。
英Watch My Competitor.comのディレクターで共同設立者のアマンダ・シンクレア氏は、この点がソーシャルメディアセンチメント分析プラットフォームの最大のメリットだと説く。Watch My Competitor.comは、ユーザーが同社のSaaSプラットフォームを利用してソーシャルメディア、Webサイト、ニュースをモニターできる「セルフサービス型のビジネスインテリジェンスポータル」を提供している。
Watch My Competitor.comは複数の大手FMCG(fast moving consumer goods:日用消費財)企業が利用しているクラウドベースのサービスで、1日に2、3回、自動的にユーザーにメールを送り、ユーザー企業自身やその競合に関連のあるアクティビティを通知する。ソーシャルメディアでは短期間で手が付けられないほど情勢が悪化することを考えると、これは重要な機能だ。
シンクレア氏は、「日々、Twitterユーザーはブランドについて話したり、アドバイスを求めたり、褒めるまたは苦情を言っている。少なくとも企業は、Twitterで自社のブランド名への言及を監視し、自社が話題にされていないかどうかを把握すべきだ」とアドバイスしている。
黎明期にあるソーシャルメディアセンチメント分析
IBMのビジネス分析プロダクトおよびテクノロジーエキスパート部門のカーク・ラブゼイ氏は、「しかし、こういった会話を監視するだけでは済まない。話されている内容に対してアクションを起こす必要もある」とくぎを刺す。ラブゼイ氏は例として、繁華街に店を構えるアパレルショップを挙げた。このショップでは、販売している商品がソーシャルメディア上で痛烈に批判されたことがあったが、ソーシャルメディアセンチメント分析ツールを使っていたおかげで、見過ごすところだった問題を把握し、問題を是正できたという。
「ソーシャルメディアセンチメント分析ソフトウェアというのは、自分が気付いていないことを教えてくれる」とラブゼイ氏は説明する。「ソーシャルメディアサイトでは匿名性が確保されているように感じられる。そのため歯に衣着せぬ意見を聞くことができる」
ラブゼイ氏は、この種類のソフトウェアは産声を上げたばかりである上、市場には製品が乱立しているため、どのシステムを選べばよいか、多くの迷いがあると指摘する。ほとんどの製品はSaaSベースであること、またIT部門ではなくマーケティング部門やマネジメントが導入を決定することも、混迷を深める要因になるかもしれない。
「このような大きな分野に取り組む場合は、さまざまな雑音があるので、それらを賢明に取り除いていかなければならない」とラブゼイ氏は語る。「これは複雑な科学だ。例えば、正直な意見か皮肉かを見分けるのは難しい。有効なセンチメント分析を行うには、大量のデータを登録した辞書を作成し、そこに構文式を適用する必要がある。IBMではそのような機能を提供している」(ラブゼイ氏)
センチメント分析を活用する投資銀行
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー