データの一元化でプロセスを可視化
PLMベースのシステム統合で車両設計を合理化したJaguar Land Rover
高級車メーカーJaguar Land Roverが業務システムを一新し、車両の設計と生産管理で使用するデータを一元化した。
英国の高級車メーカーJaguar Land Roverは、新車の開発プロセス改善に当たって、製品ライフサイクル管理(PLM)システムで使用するデータを共有するための標準化を行った。
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同社は2008年、米FordからインドのTata Motorに11億5000万ポンドで売却された際に、業務システムを刷新した。この買収によって、FordのITシステムからPLMシステムへ移行することを余儀なくされたからだ。
本誌Computer Weeklyは、Jaguar Land RoverのPLM担当シニアマネジャー、デイヴ・シャラット氏に話を聞いた。同氏は、「新しい業務システムの構築は、文字通り白紙の状態から始めた」と語る。
統合してシンプルに
シャラット氏によると買収当時のJaguar Land Roverは、システムを統合して簡素化するテクノロジーと、新しい車両を設計するための一元化したデータを必要としていた。
同社は、一貫していて重複のないSVOT(Single Version Of the Truth)状態のデータをベースとする、新しいPLMシステムを構築するためのアーキテクチャを策定。CAD、CAM(コンピュータ支援製造)、CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)などの既存アプリケーションでそのデータを利用するところから、新たな取り組みを開始した。
「PLMシステムは必要に応じて、ERPシステムに接続する」とシャラット氏は語る。
自動車の設計や製造で使用するアプリケーションはある程度統合されており、あるアプリケーションがデータを別のアプリケーションに渡すことは一般的な流れだ。だがJaguar Land Roverとしては、データは作成元のアプリケーション内にまとめておき、他のアプリケーションにはAPI経由で必要なデータを参照させる方式を希望していた。
「こんなことをやっている会社は他に見当たらなかったので、複数の企業と提携して作業に取り組んだ。具体的には、仏Dassault Systemesと米IBMが共同で提供しているPLMをベースにした」とシャラット氏は説明する。この取り組みの成果は、Jaguar Land Roverの2015年の新車開発に導入される見込みだ。
データの接続
システムの統合は、OSLC(Open Services for Lifecycle Collaboration)で定められた標準に従って進めた。OSLCは、アプリケーション間のデータ交換を実行するための一連のAPIを提供している。
Jaguar Land RoverはDassault SystemesおよびIBMの協力を得て、IBMがRationalブランドで販売しているツールセットでDassaultのPLM製品「Enovia」に接続し、高級車の設計と製造の分野にこのシステムを適用する。
2つの製品間の複雑なマッピングを実現したことで、Jaguar Land Roverは業務プロセスが正しく進行していることをデータの流れから確認できるようになった。
「製品で実現しなければならない要件を定義している場所から、全車両のマイルストーンとそのスケジュールをRationalツールセットに対して公開する。要件はEnoviaに転送する。Enovia上で検証プロセスを実行するからだ」とシャラット氏は語る。
同社では製品開発テストの照合にもRationalツールセットを使用する。
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