「何から始めればいいのかすら分からない」
1カ月で1億時間分のデータが生成されるeBayのアナリティクス環境構築記
コンピュータが生成するデータ量は1日に50Tバイト。全社では100Pバイトを処理しなければならない。米eBayはこのような、膨大な量のデータ処理という課題に直面している。
米eBayは、データの洪水を業務に役立てている。同社の顧客がかつては地元の商店のオーナーから得ていた小売業のノウハウを、eBayはこのデータを使ってエミュレートしている。地元の商店との唯一の違いは、小さい店で買い物をするときの行動スタイルを世界規模のオークションサイト全体で実現しようとしていることだ。
Computer Weekly日本語版 6月18日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 6月18日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
eBayでグローバルビジネスアナリティクス部門の責任者を務めるデイビッド・スティーブンソン氏は、2014年4月に英国ロンドンで開かれたカンファレンス「Gartner CRM Summit」で講演を行った。その際、同氏が携わっているオークションサイトの目標は、顧客に楽しい買い物をしてもらうことだと語った。
市場を提供する立場として、eBayの事業の成功は品物の買い手および売り手の視点で見たときに円滑な取引ができているかどうかに懸っていると同氏は話す。
同社はアナリティクスを実施して、顧客への理解を深めることに努めている。スティーブンソン氏が目指しているのは、小さい店で見られるような一種のパーソナル化を可能な限り進めて、eBayのネットオークションの世界でそれを展開することだ。「小さな店では、それぞれの客の好みを把握したり既存の顧客からの要望に応えたりした上で、客の品選びを手伝ったりお勧め品を提案したりする、きめ細かい接客が肝要だ」と同氏は語る。
Webの評価指標
Webサイトに対する評価指標のデータは、スティーブンソン氏が自らの裁量で意思決定を下す際の根拠となるものだ。同社が運営するオークションサイトからは、膨大な数のWebアナリティクスのデータが生み出される。スティーブンソン氏はこれを「顧客の旅の記録」と呼ぶ。顧客がeBay上でどんな行動を取り、そのサイトをどのように利用しているか、データを見れば分かるからだ。
「Webサイトでも(地元の商店と)同じ体験を提供できる。それに顧客に比較データを提供することもできる」とスティーブンソン氏は話す。「われわれには顧客の行動の意図を学ぶ手段がある」(スティーブンソン氏)。このような知見の全てが、eBayで展開されるテクノロジーの刷新につながっている。
eBayにとっての課題は、Webアナリティクスだ。Webアナリティクスは、スーパーマーケットに来た買い物客全員の頭にビデオカメラを装着するようなものだとスティーブンソン氏は話す。顧客全員の行動をもれなく記録すると、顧客のやりとりの記録は1カ月で1億時間になる。さらに、同時に発生する顧客データは多すぎて、管理しきれないほどの量になる。「1億時間の記録に対する(Webアナリティクス)処理なんて、何から始めればいいのかすら分からない」と同氏は話す。
「われわれは顧客を理解し、顧客から学び、データサイエンスのテクニックを応用して、さらに多くのデータや新しいタイプのデータを取得する必要がある」
eBayでは、3万に及ぶカテゴリーに対して1億人の顧客が出品している。同サイトで処理される1秒当たりの取引額は数千ドルに上り、スティーブンソン氏はこの取引データを「ほんの氷山の一角」と呼ぶ。
eBayは顧客の旅に関する全てのデータを処理することに苦慮していると、同氏は認めている。ビッグデータを処理する際の課題とは、例えば「昨日実行された検索の中で上位のキーワードは何か」のような、業務に関する簡単な問いを投げかけるだけでも、扱うデータが50億ページビューにわたることだ。「基本的な質問をする場面に限定しても、大きな問題に直面している」とスティーブンソン氏は実情を明かす。
しかしeBayが実際に必要としているのは、単純な質問以上の複雑な問いに対する答えだ。「eBayで実現したいのは、感情の分析、ネットワーク分析、そして画像分析だ。しかしこれらは全て、従来のトランザクションデータベースでは処理できない」とスティーブンソン氏は語る。
そこで同社は、データアナリティクス処理を3つのプラットフォームに分割した。
続きはComputer Weekly日本語版 6月18日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 6月4日号:あなたの会社がグリーンピースの標的になる日
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
3
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
7
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
8
「IBM iはDXのボトルネック」は誤解 意外と知らない今風モダナイズの効果
-
9
「朝8時にバッチが終わらない」データ爆発の危機をJPX総研はどう乗り越えたか
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー