パッチ未適用率が約8割のバージョンも
Javaは“最も危険なソフトウェア”? セキュリティベンダーが指摘する理由とは
「Java」の安全性を取り巻く状況は、いまだ好転していない――。米セキュリティ企業が発行したソフトウェアの脆弱性に関する調査リポートから、そんな現状が見えてきた。
OSやアプリケーションの脆弱性とパッチに関する最新の業界リポートは、サポートが終了したソフトウェアのセキュリティリスクについて注意を喚起するとともに、米Oracleが管理する「Java」が最も脆弱な製品であると再び断じた。
デンマークのセキュリティベンダーSecuniaが四半期ごとに発行するリポート「Secunia PSI Country Report」によると、2015年第1四半期に米国で稼働していたWindows Vista/7/8搭載クライアントPCの14%には、パッチが適用されていなかった。
この数値は、2014年第4四半期の調査(12.5%)よりも増えており、パッチ未適用の傾向が強まっているようにも見える。だが変更管理製品ベンダー、米Tripwireのセキュリティリサーチャーであるクレイグ・ヤング氏は、「パッチ未適用システムは、実際には減少傾向にある」と指摘する。
Javaがパッチ未適用ソフトの常連に
Secuniaのリポートに掲載されたパッチ未適用システムの割合を見ると、米国の場合は2014年第1四半期が14.5%、2015年第1四半期は14%。英国の場合は2014年第1四半期が12.1%、2015年第1四半期が11.5%といずれも減少している。「OSのリリーススケジュールは多様であり、四半期ごとにパーセンテージが数ポイント上下するのは普通だ」(同)
ヤング氏によると、Secuniaのリポートから分かるもっと重要な傾向がある。最もパッチが適用されていないプログラムは、OracleのJavaであるという事実だ。米国では「Java Runtime Environment 7.x(1.7.x)」が54%の市場シェアを持っており、その77%には最新のパッチが適用されていないという。
Javaがパッチ未適用プログラムの第1位になったのは、これで3四半期連続である。この傾向は全世界的なものだ。ヤング氏によると、こうした傾向が、Javaをエクスプロイトの“世界共通語”にしているという。
「無償・有償問わず、Javaを危険に陥れるエクスプロイトキットやエクスプロイトフレームワークが数多く登場し、低レベルの攻撃者でさえ高度な攻撃が可能になっている」とヤング氏は語る。
Javaが不名誉な地位を獲得する以前、最も脆弱性の高いソフトウェアといえば、XML関連のAPI群「Microsoft XML Core Services(MSXML) 4.x」だった。MSXML 4.xは、少なくともSecuniaの最初のリポートが発行された2012年第4四半期まで、最も脆弱なソフトウェアリストの最上位にあった。サポート終了(EOL)とともに、MSXML 4.xは同リストから外れた。
MSXML 4.xは現在、いまだに利用されているEOLソフトウェアリストの第2位にある。同製品がEOLとなった以降の直近3四半期、MSXML 4.xは多くのシステムにインストールされている。Secuniaによると、2014年第3四半期は76%、同年第4四半期は71%、2015年第1四半期は70%のシステムがMSXML 4.xを利用しているという。
なぜMSXMLは第2位にとどまっているのかというと、第1位に米Adobe Systemsの「Adobe Flash Player」が居座り続けているからだ。Flash Playerはひんぱんにアップデートし、EOLサイクルが短い。そのため、EOLソフトウェアリストには四半期ごとにFlash Playerの新バージョンが登場する。
ヤング氏は、「FlashもJavaも、標的を危険にさらすパワフルなプラットフォームとなる。いずれもWebで広く利用されており、ユーザーがWebベースの攻撃にさらされる危険性を高めている」と説明する。
ヤング氏が危惧するのは、EOL製品には原則としてパッチが適用されないことだけではない。特に注目するのは、「新たに発見されたソフトウェアの脆弱性や危険性を知らないユーザーがしばしばいる」(同)ことだ。
「世界中のコンピュータに、非常に多くのEOL製品がインストールされている。この事実は、多くの攻撃者や侵入テスターが古い脆弱性の攻略に数多く成功している大きな理由だ」と、ヤング氏は語る。
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